剣道少年女子で、福井県勢初の4強進出を決め、笑顔でチームメイトと話す堤腰琴菜選手(右)=9月30日、福井県福井市の福井県立武道館

 【福井しあわせ元気国体(福井国体)剣道少年女子】

 「母親が見てくれているという気持ちで戦った」。9月30日行われた福井しあわせ元気国体の剣道少年女子で、初のベスト4進出を決めた福井のエース堤腰琴菜選手(敦賀高校3年)は昨年秋、母のまゆみさんを亡くした。病気で剣道をあきらめかけた時も、いつもそばで支えてくれた存在だった。一時は落ち込んだが、チームメートらの支えで復活。「人一倍頑張っていれば大丈夫」という母の教えを胸に10月1日、頂点に挑む。

 堤腰選手は曽祖父から続く剣道一家に生まれた。父の一昭さん(51)と祖父の昭さん(73)は、1998年の神奈川国体に選手として同時出場を果たしている。堤腰選手が竹刀を手にしたのは必然だった。

 小学1年から敦賀市内が拠点の道場「福井養正館」で館長の昭さん、副館長の一昭さんから指導を受け、めきめき力を付けた。だが、小学4年の時に化膿性骨髄炎を患い、腰の痛みで一時は車いす生活を送った。一昭さんは「競技の継続はあきらめかけていた」と振り返る。病を克服してからは、剣道ができる喜びをかみしめ、さらに努力を重ねるようになった。

 昨年6月の北信越高校大会で個人優勝を果たし、団体でも頂点に立った。国体本番に向けて順風満帆と思われたが、その3カ月後にまゆみさんが亡くなった。「いつも見に来てくれる家族は大きな力になる」という堤腰選手にとって、精神的ショックは大きかった。支えたのは、小学生時代から同じ道場で稽古し、長年ともに切磋琢磨してきた福井のチームメートらだった。

 頼れる剣士ぶりを取り戻して臨んだ大舞台。「国体を一番楽しみにしていたのが妻。そういう思いも含めて(堤腰選手は)臨んでいる」との一昭さんの言葉を証明するように、9月30日の1回戦、準々決勝でともに1本勝ち。副将としてチームを引っ張り、気合の入った強気の竹刀さばきで場内を沸かせた。

 「スタンドからの応援が後押しになった。この勢いで勝ち上がり、優勝できるように頑張りたい」。10月1日の準決勝、決勝をまっすぐに見据えた。

福井市
不死鳥のまち
【編集部が勝手にオススメ】▽観光 一乗谷朝倉氏遺跡、養浩館庭園▽味覚 ソースカ…
剣道
成年男子、少年男子、少年女子は5人制、成年女子は3人制の団体戦を、トーナメント…
剣道
関連記事