坂井市の福井県教育総合研究所教育博物館を訪問された天皇、皇后両陛下=9月28日午後

 9年ぶりの来県となった天皇、皇后両陛下は9月28日、坂井市の福井県教育博物館を訪れ、幕末の福井藩が取り入れていた先進的な洋学教育を視察された。両陛下が通った、当時の小学校である尋常小学校や国民学校の教科書を見て、お二人でほほ笑み合いながら語らう場面も。天皇陛下は「これだけの資料を集められたのは、すごいことですね」と話された。

 両陛下はまず、企画展「幕末明治福井の教育 近代教育のはじまり」に足を運ばれた。福井藩校で使っていた英語、仏語、オランダ語で記した辞書「三語便覧」をご覧になり、英語で書かれた化学入門書には皇后美智子さまが「どこから入手したのですか」と吉田智館長(62)にご質問。西洋の学問を積極的に取り入れた藩主松平春嶽について天皇陛下は「素晴らしい方ですね」と述べられた。

 藩校で教べんを執った外国人教師グリフィスに説明が及ぶと、皇后さまは「牧師でしたよね」と話し、ご存じの様子だったという。グリフィスが由利公正に「大事なのは外国人教師を増やすことではなく、日本人の優秀な教師を育てることだ」と提案した書簡を見て「グリフィスという方はすごいですね」と感心されていた。

 明治政府が取り入れた体育にも注目し、廃校となった小浜市上根来小に残っていた木製の亜鈴(あれい)を実際に手に取られる場面もあった。

 常設展示されている昭和初期の教科書を見ると、皇后さまは「懐かしい」と笑顔。天皇陛下が尋常小学校、皇后さまが国民学校のそれぞれ1年生のときに使っていた教科書があり、同じ唱歌なのにタイトルと歌詞が違うことなどを楽しそうに話されていた。

 両陛下は教科書の内容をよく記憶し、天皇陛下は国語の教科書の「雲のさまざま」という題材で雲の種類を覚えたとも話されていたという。吉田館長は「両陛下が次のページを覚えていらしたことが印象的で、思っていた以上に喜んでいただけた。教科書の大切さを両陛下から教えていただいたように思う」と話していた。

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