完成した歌碑を磨く和泉地区の住民たち=9月22日、福井県大野市下半原

 福井県大野市民が同市の九頭竜ダム湖畔で製作していた美浜町出身の歌手五木ひろしさんの「九頭竜川」の歌碑が完成した。周囲にはプロモーションビデオで映し出されるダム湖や箱ケ瀬橋(通称・夢のかけはし)の壮大な風景が広がり、新たな“聖地”として注目を集めそうだ。9月28日に五木さんを招いた除幕式を行う。

 「九頭竜川」は五木さんの作曲で2016年4月にリリースされた。「故郷の九頭竜川よ 大海めざして 流れゆけ」などと川の流れを人生にたとえた歌で、同年のNHK紅白歌合戦でも披露された。箱ケ瀬橋はビデオの冒頭で採用され、桜が乱れ咲く春の情景が映し出されている。

 これを契機に地元を盛り上げようと和泉地区の30~60代6人が昨夏、歌碑建立準備委員会を発足。建立に向けて資金を募り、全国各地の五木さんファンら15人36団体から101万7136円が寄せられた。

 九頭竜川の大きな岩を土台に使い、岩に貼り付けた縦70センチ、横120センチの石板に五木さん直筆の題字「九頭竜川」や歌詞全文を刻んだ。委員がインターネットで調べたり石材職人に相談したりして歌詞の型を手作りするなど製作に励み、会発足から約1年越しで完成させた。

 委員会発起人で和泉自治会長の辻善範さん(65)は「歌詞冒頭の『大河もたどれば滴から』という部分が印象的。九頭竜川の『滴(源流)』は箱ケ瀬橋からほど近い場所だから」と製作の思いを語る。地元では中部縦貫自動車道の整備が進んでおり「滴となる場に歌碑を建てることで高速道から和泉地区に降り立つきっかけになれば」と話す。

 22日には辻さんら3人が現場に訪れ、最後の仕上げ作業を行った。委員の一人、北爪孝志さん(47)は、周りの景色に引けを取らない仕上がりに「ここまで出来れば上等」と満足げ。「桜や紅葉シーズンはもちろん、湖や橋がキラキラと凍り付く早春もお勧め。見に来る人が増え、地域の活性化につながるとうれしい」と話した。

 現場は国道158号沿いの広場で、車の駐車可能台数は数台に限られる。

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