幼少時から足が大きく、脚に合わないサイズの靴を無理して履いてきました。外反母趾(がいはんぼし)になり、右足の親指が人さし指に重なるようになっています。この2本がすっかり重なっている人を時々見かけますが、私もいつかそのようになり、歩行に支障をきたすようになるのではないかと心配です。対処法や治療について教えてください。(福井県福井市、63歳女性)

 【お答えします】勝尾信一・福井総合病院副院長/整形外科医師

 ■女性に頻発、進行予防を

 外反母趾は、趾(足の指)が曲がっている、趾が重なっている、足の幅が広がっているといった見た目の悪さに加え、変形している母趾中足趾節関節(MTP関節)内側部に痛みを感じることがあります。圧倒的に女性に多く、遺伝的な要因もあるといわれています。

 外反母趾は、実は幼少期に始まっており、思春期の体の成長に伴い、変形が進行する傾向にあります。さらに思春期以降、先細のハイヒール靴を使用することにより、女性で高頻度に発症または悪化すると考えられています。

 質問者の方は、小さい靴を無理に履いていたとのことですので、それが変形を強くした可能性は十分に考えられます。変形は中等度と思われますが、何もせずに様子をみていても変形や痛みが改善する見込みはありません。変形や痛みを改善させ、進行を予防するには治療が必要です。

 ■靴の見直し、ホーマン体操が有効

 治療には(1)靴選び(2)運動療法(3)装具療法(4)薬物療法(5)手術―があります。

 (1)靴選び ポイントは▽母趾MTP関節内側部を圧迫しない▽趾先が広く趾の運動を妨げない▽ヒールは低め▽柔らかい素材を使用する―ことです。特に幼少期から思春期にかけては重要です。

 (2)運動療法 ゴムひもを両母趾にかけて母趾を内側に引き寄せる「ホーマン体操」や、趾を自分の力で「パー」に広げる「母趾外転筋運動」がお勧めです。軽度から中等度の人は改善が期待できます。自宅で毎日行いましょう。

 (3)装具療法 痛い部分を除圧するパッド、歩行時や夜間に使用する矯正装具、足に直接装着または靴に入れる足底板があります。こちらも軽度から中等度では改善が期待できます。ただし、矯正装具による過矯正、足底板が不適合の場合は痛みが増強する可能性があります。医療機関で作成・装着することをお勧めします。

 (1)~(3)の治療をしても進行する場合には手術を含めた専門的治療が必要です。

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