北陸新幹線敦賀開業後の特急存続について「考えていない」と話すJR西日本の来島達夫社長=9月19日、大阪府大阪市の本社

 JR西日本の来島達夫社長は9月19日の定例会見で、北陸新幹線へのフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入断念に伴い、全線開業まで敦賀駅(福井県敦賀市)で乗り換えが生じる問題について「原則に従って新幹線をご利用願いたい」と述べ、県などが求める福井駅までの特急乗り入れに否定的な見解を示した。ただ、敦賀駅発着全ての新幹線と短い待ち時間で乗り継げる特急の便数確保について「ダイヤの工夫で極力乗り換えの抵抗をなくしたい」とし、議論の余地がある可能性を示唆した。

 国土交通省が8月末に北陸新幹線へのFGT導入を断念してから初の定例会見となった来島社長は、九州新幹線長崎ルートで見送られた経緯を踏まえ「現在の技術、経済性で導入するわけにはいかないという立場。断念は受け入れる」と述べた。その上でFGTに代わり、敦賀―新大阪間がフル規格でつながるまでの間の利便性確保について「敦賀駅で特急との乗り換えをスムーズにし、新幹線を利用いただくというのが最適だと思う」との考えを示した。新幹線開業後の区間はJRから経営分離され、第三セクターの並行在来線に移行する原則論を踏まえ、福井駅までの特急、新快速の乗り入れは「考えていない」とした。

 JRが国側に支払う施設使用料(貸付料)の増額や支払い期間の延長で、金沢―敦賀間の建設費の上振れ分約2260億円や、未着工区間の敦賀以西の整備費に充てる財源確保策にも否定的な考えを示した。「自分たちの受益の範囲で30年間支払うことで北陸新幹線を運営している。建設費の増加で変動する仕組みではないし、単純に延長すればいいという話ではない」と強調し、「財源のベースとなるのは(国費と地方負担の)公共関係費だ。国で財源議論を深めていただきたい」と注文した。

 FGTの代替策を巡っては、西川一誠知事や山本文雄県議会議長らは福井までの特急存続や、敦賀駅で新幹線と乗り換える特急の便数確保を国交省に要請しており、15日の県北陸新幹線建設促進同盟会総会では政府、与党に代替策を求める決議が採択された。県議会の中には、大阪から敦賀まで運行されている新快速の福井延伸を求める声もある。

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