缶ハイボールや缶ビールが並ぶコンビニエンスストアの売り場

 ウイスキー市場で大手酒類メーカーのせめぎ合いが激しさを増している。炭酸で割ったハイボールの人気が止まらないためだ。サントリーグループの圧倒的な販売量の切り崩しを狙い、各社は缶ハイボール市場への再参入や新たな飲み方の提案などに乗り出した。

 国税庁によると、ウイスキーの2017年の国内出荷量は9年連続で増え、09年の約2倍に拡大した。酒文化研究所(東京)の山田聡昭第一研究室長は「食事などと楽しめるハイボールが消費者の心をつかんだ。ビールや日本酒に比べ糖質などが少ないことも後押しになった」と分析する。

 サントリーの1〜8月の出荷額は前年の同時期に比べ7%増え、勢いは衰えない。輸入品の「ジムビーム」なども約3割増となった。持ち株会社の肥塚真一郎取締役専務執行役員は「ウイスキー類はまだ伸びる。輸入品と合わせて需要に応えていく」と意気込む。

 キリンビールは缶の「ホワイトホース ハイボール」を7月に売り出して6年ぶりに市場に参入し、1カ月で年間目標の約3割を達成した。主力の国産「富士山麓」ブランドでも新作「シグニチャーブレンド」を8月に発売した。

 アサヒビールは9月11日に主力「ブラックニッカ」の限定商品などの販売を始めた。ウイスキーは他の酒類よりも「外では飲むが家では飲まない」層が多いとして、家庭でのロックなどの飲用を呼び掛ける。ハイボールでは原酒にハーブや果物などを漬け込んだ新しい飲み方「ジャーハイ」も提案し、10月から全国の飲食店に売り込む。

 サッポロビールは、酒類大手バカルディの「デュワーズ」に注力する。業務用にハイボールの10リットルたる詰め商品を10月から販売する。家庭用では200ミリリットル瓶を9月19日に発売し、若年層の家飲み需要開拓を狙う。

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