自宅の空き部屋で民泊客を受け入れている木津直弘さん=福井県越前市

 一般住宅に有料で旅行者らを泊める「民泊」を認めた住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から3カ月がたった中、福井県内の民泊の届け出提出は全国43位の7件にとどまっている。県は採算性の見通しや空き家活用に必要な登録制度が、低調な出足の要因とみている。一方で、民泊の県内宿泊者は外国人が半数超を占めており、課題となっているインバウンド拡大の受け皿になる可能性をうかがわせている。

 6月15日の新法施行後、福井県への届け出提出は9月14日までに7件あり、越前市で3件、福井市と小浜市、坂井市で各1件を受理した。いずれも個人または法人が所有する家主居住の一戸建て住宅が活用されている。

 観光庁の統計(8月31日現在)によると、全国の民泊届け出提出は8272件。上位は東京都3161件、北海道1320件、大阪府719件など。福井県の7件以下は石川(7件)、山形(同)、鳥取(5件)、秋田(同)の4県のみだった。

 家主には2カ月ごとに稼働実績の報告が義務付けられており、6月15日から7月末までの県の統計で、稼働日数は4件で計13日、宿泊者数は延べ53人だった。

 県医薬食品・衛生課は、県内では既存の宿泊施設の稼働率が4~6割にとどまっている上、安価なビジネスホテルも多く、旅行者にとって民泊が選択肢になりにくいと分析。「運営の手間なども考えると、民泊の宿泊収入では採算が取りにくい」と指摘する。

 新法は、空き家を民泊に活用する場合、家主が国土交通省に「住宅宿泊管理業者」の登録をするか、登録業者に管理を委託するよう規定。登録には不動産取引の実績が必要で、同課は「自ら空き家を運用するにはハードルがある」とみている。

 県観光振興課は「都市部と違って県内の宿泊施設の稼働率は逼迫している状況にない。低価格な民宿も多く、民泊を業として成り立たせるのは難しいだろう」と説明。当面は民泊を積極的に増やす立場は取らず、届け出の推移を見守っていく構えだ。

関連記事