イノシシ

 2017年に鳥獣被害を受けた福井県内の農地面積は148ヘクタールとなり、県が統計を取り始めた03年以降で最小になった。被害を減らすためには、電気柵などによる防除や捕獲だけでなく、集落の態勢づくりなど人の力も重要とされる。勝山市の集落では女性が中心となって住民を動かし、見回り態勢を築いて被害を激減させた。越前町では、若手農家が水田での音楽イベントを企画。楽しみながら獣害を減らすことを目指している。

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■女性主導 山中に電気柵、集落一体

 山沿いに民家や田畑が広がる福井県勝山市の西光寺では、中川まつ子さん(68)、斉藤チヨ子さん(72)、松浦安子さん(72)の女性3人が主導し、山中に電気柵を設置。集落が一体となった見回りに取り組み、成果を上げている。

 集落への被害は15年ほど前からひどくなり始めた。水田周りに電気柵を張るなどしても改善されず、ほぼ全ての田畑にイノシシが侵入したこともあったという。

 転機は約3年前。鳥獣被害対策アドバイザーや県奥越農林総合事務所の助言、支援を受け、集落沿いの山中に電気柵を張ることにした。草木を切るなどして設置場所を整備する労力を要するが、「私たちでできることはやろう」と3人が立ち上がった。

 2016年5~6月、20日間ほどかけ、山際から5~10メートル入った山中約1・5キロにわたって、電気柵の設置場所と見回り用の通路を開設。7月には住民の力を借りて柵を設置した。その後は有志の協力を得ながら見回りや点検を行い、被害は劇的に減ったという。

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