サヨナラ負けとなり、ベンチで悔し涙を流す若狭ナイン=7月25日、福井県営球場

 【第100回全国高校野球選手権福井大会決勝 敦賀気比2―1若狭】

 サヨナラ負けが決まった瞬間、若狭の選手たちはぐっと涙をこらえていたが、試合終了後は涙が止まらず、お互いに抱き合うことしかできなかった。

 若狭は3併殺を取るなど好守が光り、敦賀気比の好機をことごとくつぶした。先発須賀原龍弥が口に打球を受け降板するアクシデントもあったが、継投した高橋諒、小堂莉玖が粘り強く投げ、敦賀気比の強力打線を6安打に封じた。

 49年ぶりの甲子園を逃したものの「守備は言うことがなかった」と荒木康監督。春の大会までは走者を背負うと失策し、失点する場面が多かった。しかし、この日は「全くなかった。本当に成長した。成長したな」と涙声で繰り返し、目頭を押さえた。

 大量失点に傾きかけたのは、四球と安打で無死一、二塁を許した六回。相手はバントの構え。監督の指示は前進守備だった。打球は鈍い音とともに山なりに浮き上がった。一塁手木村竜は「落としたらあかん。勢いづけてしまう」と全力でダッシュ。滑り込んで捕球し流れを渡さなかった。

 「惜しい試合だった」と振り返る佐藤浩太郎主将に涙はなかった。「ずっと守備練習を徹底してきて、大事なところで生きた。やりきった」。最後はすがすがしい表情だった。

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