変形性膝関節症を患っています。立ち上がる時、膝の裏側がぽきぽきと音がして、伸ばすのが痛く、歩き始めるのがつらいです。今は注射と薬で耐えていますが、手術も検討しています。手術をすれば、立ち上がる際の膝の裏側の痛みは改善するでしょうか。また、手術以外に痛みを治す治療があれば教えてください。(福井県坂井市、65歳女性)

 【お答えします】尾島朋宏 福井総合病院 リウマチ科部長 整形外科医師

 ■注射や薬効きにくいケース多く

 変形性膝関節症は程度や病変の部位、また個人によって痛み方が異なります。変形が強くなると「歩けなくなるのが心配なので手術してください」と患者さんは来院されますが、「ちょっと待ってください」とお答えすることも多いです。膝関節には骨、軟骨、半月板、靭帯などがあり、どこが病変の中心かで治療の方法も変わるからです。病変を突き止めるため、まずは診察が重要ですが、MRIやエコーでしか分からないこともあります。

 患者さんの多くは膝の内側の痛みを訴えられますが、相談者の方は膝の裏側が痛いとのことです。膝の裏側の痛みで多いのは、内側の半月板の最後方部分の損傷です。後角損傷という特殊な損傷ですが、分かりにくいことも多く、内側半月板損傷全体の3割程度とする研究もあります。50~75歳の女性に多く、自分ではっきり認識できる状況で発症することが多いです。また骨の壊死(えし)を伴い、注射や薬が効きにくいケースが多いともいわれています。

 ■期待する術後の状態、医師と相談を

 診断が正しいか確認するためには、やはりレントゲンやMRIなどの検査が重要です。レントゲンでは変形性膝関節症の程度、つまり軟骨のすり減りやO脚の程度を確認します。またMRIを撮影すれば、後角損傷の有無を確認できることが多いです。

 手術をする場合は、検査の結果を参考にして、関節鏡というカメラで半月板の処置だけ行うか、追加の処置を行うか、相談する必要があります。ご自分が期待される手術後の状態について、執刀医の先生とよく話をするべきです。

 MRIではっきりした所見がない場合もありますが、その場合は他の原因を考慮します。膝の裏側には他にも痛みの原因となる部位があり、押して痛い部位や、エコー検査で炎症のある部位を参考にして診断します。それらの部位はさまざまで、患者さんに応じて、生活指導、ストレッチや筋力訓練などの理学療法、痛みや炎症のある部位への局所注射などを行います。

 痛みが強いのであれば、このような詳しい検査を受けられることをお勧めします。まずはかかりつけの先生とよく相談されてはいかがでしょうか。

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