1カ月前から咳(せき)が止まりません。内科や耳鼻咽喉科などに行き、のどや副鼻腔(ふくびくう)の検査、胃カメラや胸部エックス線も受けましたが異常ありませんでした。現在就寝前にシングレア錠、ラベプラゾールNa錠、セレスタミン配合錠を1錠ずつ、朝夕2回タリオン錠を服用しています。多少改善しましたが、咳込むと止まりません。起床時がつらく、口が“いがいが”しています。アドバイスお願いします。(福井県鯖江市、55歳女性)

 【お答えします】山田武千代・福井大医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授

 ■慢性感染症の有無チェックを

 咳の原因には多くの病気が関わっています。気管支、肺、のど、鼻の病気や精神的ストレスまでさまざまです。鼻がつまる、痰(たん)が出る、喉に落ちる感じがある、息がヒューヒューするなど、咳以外の症状の確認も必要です。

 処方された薬は気管支ぜんそく、咳ぜんそく、アトピー咳嗽、喉頭アレルギーなどの気道アレルギーや逆流性食道炎(胃酸が逆流)に対するもので、咳の原因として比較的多くみられる病気です。薬が効かないことから、慢性の感染症がないかチェックする必要があります。いがいが感が強いことから、慢性扁桃炎(へんとうえん)、上咽頭炎、慢性気管支炎などが想定されます。

 慢性扁桃炎では扁桃の奥深くに細菌が慢性的に存在します。抗菌薬が有効です。慢性気管支炎では胸部エックス線が正常でも注意深く観察すると気管からのどに喀痰(かくたん)が認められます。微熱がある場合は結核などではないか確かめる必要もあります。頭蓋の中心にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)での副鼻腔炎は、CTやMRIで確認します。

 ■原因複数あるケースも

 今や国民病といわれるスギ花粉症の増加とともに、気管支ぜんそく、咳ぜんそくなどの気道アレルギーの病気が増えています。鼻炎が重症化すると口呼吸となり、異物が直接入るために咳が出やすくなり、実際に細菌やウイルスによる感染症が起こる機会が増えます。口呼吸にならないよう鼻炎の治療が重要です。フルーツや野菜を食べると唇が腫脹(しゅちょう)し、息が苦しくなる口腔(こうくう)アレルギー症候群や、食物アレルギー、薬物アレルギーでも咳が出ることがあり、アレルギーの原因が何かを明らかにすることが重要です。気管支ぜんそく、咳ぜんそくでは、肺機能検査や気道の過敏性をみる検査が要ります。
ステロイドや気管支拡張薬の吸入が効きます。胸部エックス線が正常と判断されても、CTやMRIで肺の病気がみつかることもあります。

 咳の原因は、一つの病気であればその病気の治療で症状は改善しますが、いくつかの病気が混在していることも認識して治療する必要があります。

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