35歳男性です。寝違えや強い首の痛みが1カ月に一度ぐらいのペースで起きます。ひどい時は3〜4日ほど痛みが続きます。首が熱を帯びることもあり、痛みのため気分が悪くなってしまうこともあります。仕事はデスクワークと立ち仕事が半分ずつぐらいです。対処法や治療法を教えてください。(福井市)

 【お答えします】水野勝則・福井総合病院整形外科部長

  ■頚椎椎間板ヘルニアの可能性

 「強い首の痛みが1カ月に一度起きる」とのことで、さぞお困りのことと思います。35歳と若い方ですので、頚椎の変形はさほどひどくないことが予想されます。繰り返す頚部(けいぶ)痛の原因として、真っ先に思い浮かぶのは「頚椎椎間板ヘルニア」です。

 首の骨(頚椎)は「椎骨」という骨が縦方向に7個積み重なっています。椎骨は前方を「椎体」、後方を「椎弓」といい、その間に「脊柱管」という神経の通り道があります。そして、上下の椎体の間には「椎間板」という軟骨があります。

 椎間板は中央に「髄核」というゲル状の物質があり、その周りを「線維輪」が取り囲んでいます。髄核が線維輪を突き破って、あるいは線維輪を持ち上げる形で脊柱管に突出した状態が「椎間板ヘルニア」です。脊柱管内の神経が椎間板により圧迫されると、上肢の神経痛や細かい作業の障害(巧緻運動障害)、歩行障害などを引き起こすことがあります。

 椎間板はレントゲンには写りませんが、MRIではその様子がはっきりわかります。従って、まずはヘルニアの有無および頚椎の感染、腫瘍など重篤な疾患の有無を調べるために、MRI検査を受けることをお勧めします。

 ■保存的治療と手術的治療

 頚椎椎間板ヘルニアの治療は、保存的治療と手術的治療があり、保存的治療としては薬(消炎鎮痛剤の内服・外用)、神経ブロック(硬膜外ブロック、神経根ブロック)、装具(ネックカラー)、リハビリ(頚部の筋力増強訓練、牽引)などがあります。通常はまず保存的治療を行います。ネックカラーの長期装着は頚部の筋力低下を引き起こしますので注意が必要です。

 高度の神経麻痺を認める場合や尿や便が出ない(膀胱直腸障害)場合、画像上ヘルニアが神経を圧迫しており、保存的治療の効果が乏しい場合、手術を考えます。手術は首の前方から椎間板に到達して、突出した椎間板組織を直接取り除き、代わりに骨盤の骨(腸骨)をはめこみます(頚椎前方固定術)。一度、最寄りの整形外科にご相談ください。

関連記事