イベント出店者が営業許可を受けるための基準をまとめた書類。施設の構造などが詳しく規定されている

 福井市のガレリア元町商店街が18日、大勢の人で埋まった。初のイベント「ワイン福井」。カップルや家族連れがアーケード下に並んだテーブルを囲み、世界各国の高級ワインを楽しんだ。

 普段は人通りがまばらなJR福井駅西口も、公共空間を使ったイベントがある週末は表情を変える。そこでしか味わえない新鮮な体験を求めて、人が集まる。周辺店舗の売り上げ増や顧客獲得に結び付けられれば、一過性でなく次の活気につながる。

 同商店街は、市の「食集積エリア」にも位置付けられている。だが、食のイベントを開きやすくするための、行政側の支援体制は十分とはいえないのが現状だ。

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 その一例が、保健所の営業許可。1970年から運用されている県の食品衛生法施行細則に基づいており、イベントで販売できるのは、加熱処理した食品が主な対象。調理場所は、ほこりや虫が入らないように天井と左右、背面をテントで囲わなければならない。流し台や手洗い場の設置は常設店舗とほぼ同じ。事前に書類申請し、会場設営後に現場確認を受け、ようやく営業許可が下りる。

 チェック項目は山ほどあるが、「規則がある以上は仕方がありません」と県福井健康福祉センターの担当者。「これを守れないと言う人には、『じゃあ営業やめたらどうですか?』と答えるだけです」

 県外ではどうか。金沢市保健所に問い合わせると、あまりの違いに驚いた。6日間以内の出店であれば、原材料や配置図などを記した「模擬店届」を事前に提出するだけで、営業できる。いわゆる「届け出制」だ。市内一円から多くの申請が日々寄せられ、「過去に食中毒が発生した例はない」という。

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 保健所のほか、道路・公園などの会場使用には市や商店街の許可が必要だし、コンロやIHの調理器具は火災予防条例に基づく消防当局の確認がいる。マニュアルはなく、その都度判断を仰ぐ形になるため、柔軟な現場対応がある一方、せっかく練った計画が通らないケースも。実際、「ワイン福井」は直前に会場の配置変更を余儀なくされた。

 開催後、ある商店街関係者は訴えた。「小さなイベントを開きたい人は、実はまちにたくさんいる。でも今のままじゃ、手続きに労力がかかりすぎ。何らかの規制緩和が必要じゃないか」(細川善弘)

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