1年ほど前から、夜に寝て2〜3時間すると、舌の先がカラカラに乾き、痛くて目が覚めます。水を一口飲むと痛みがなくなります。毎日マスクをして寝ています。時にはマスクのガーゼをぬらしていますが、症状は変わりません。体はどこも悪いところがありません。どうしたらよいか、教えてください。(福井市、80歳女性)

 【お答えします】川中紀邦・福井総合病院リウマチ膠原病科医長

 ■唾液が減る、口腔内乾燥症か

 口腔内乾燥症とは、唾液分泌量が減り、唾液の質に異常を来すことで、のどが渇き、口の中が乾燥して痛みや不快感が生じる症状です。「口腔内(舌の先)が乾燥して痛みがでるが、水で潤すと痛みが消える」という状況は、飲み水を求めているのではなく、潤いのための水分が必要であると解釈できますので、口腔内乾燥症が疑われます。

 日常生活でもクッキーやクラッカーなど水分の少ない食品が飲み込みにくい、口の中がねばねばする、味覚がおかしい、などの症状を自覚されているかもしれません。唾液分泌量が減ると、口内炎や口臭の原因になり、義歯の不具合や虫歯を引き起こします。唾液分泌量は耳鼻咽喉科や内科で調べることができます。唾液分泌量が少なかった場合は口腔内乾燥症と診断されます。相談の女性は、体に悪いところがないとのことですので、糖尿病や腎臓病はないと思われます。

 ■加齢やストレスなど原因診断を

 口腔内乾燥症の原因の多くは▽年齢的なもの(年齢とともに口や顎の筋力の低下や萎縮が起こり、唾液の分泌量が低下)▽ストレス(ストレスや緊張により交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制される)▽口呼吸による乾燥—とされています。原因により対処は異なりますが、唾液分泌促進剤、人工唾液などの薬物治療、歯科医院で作成可能な保湿装置などで改善されることがあります。

 まれな病気でありますが、シェーグレン症候群という自己免疫疾患があります。シェーグレン症候群は、乾き目(ドライアイ)や口腔内乾燥(ドライマウス)などの乾燥症状を引き起こします。そして、体がだるい、疲れやすい、関節が痛いなどの症状や微熱などの全身症状を生じる場合があります。目や口の症状だけでなく、全身の症状がある場合は膠原(こうげん)病科の受診をお薦めします。

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