これからビル3階で創作に没頭する和紙造形家のかとうさん=福井市中央1丁目

 ペンを工具に持ち替えて、「これからビルディング」3階の改修作業を始めてから約3週間。新しい仲間が加わった。7月18日の「塗装まつり」にも参加してくれた鯖江市の和紙造形家、かとうこづえさんだ。

 さまざまな業種の人たちが仕事場を共有し交流する「コワーキングスペース」。常駐利用者向けに大きめのデスクを並べる。かとうさんには、ビジター利用者とのスペースを分けるための間仕切りを、越前和紙で飾ってもらおうと依頼。創作のため現場に通い詰めてくれることになった。

 「ここから何かが生まれていくというイメージを表現したい」。間仕切りの表面に施す造形は、得意とする「繭玉」がモチーフだ。壁になる発泡スチロールの土台を繭の形でくりぬき、そこに和紙を張った。使用した「落水紙(らくすいし)」は、すき上げる過程で水滴を落とすことで丸い模様や穴ができていて、不思議な表情を出している。

 福井の人やモノの力で新しい価値を生みだしていこうとするコワーキングスペース「サンカク」にとって、伝統工芸は大事なテーマ。「和紙をもっと身近に感じられる場を、幅広い年代や分野の人が集まる駅前につくりたかった」とかとうさん。この場にぴったりの作品になりそうだ。

 「もう職人さんになれるよ」「弟子入りしていいですか」。そんな冗談を交わしながら、記者2人の作業はそろそろ終盤戦。大工の五十嵐亮さん(38)の要所を突いたアドバイスのおかげで、丸のこも手になじんできた。

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