小3の息子は幼いころから軽度のアトピー性皮膚炎です。乾燥などでかゆみがひどくなると、ステロイド入りの薬を塗り、普段は市販の保湿剤を使っています。症状は一進一退です。幼少期の軽度のアトピー性皮膚炎は珍しくなく、成長するにつれて改善すると聞いていましたが、その兆しは感じられません。このまま様子を見るしかないのでしょうか、原因の検査などをきちんとすべきなのでしょうか。(福井市、40代女性)

【お答えします】大嶋勇成・福井大医学部小児科教授

■経過はさまざま

 アトピー性皮膚炎は、生後4カ月までに発症した場合、約8割は1歳半までに治ります。生後4カ月から幼児期にかけて発症した場合には、ゆっくりと治っていくことが多くなります。従ってアトピー性皮膚炎の子どもの割合は3歳をピークとして、その後徐々に減少します。

 ただ、いったん治っても思春期ごろに再発したり、10代後半から新たに発症したりすることもあります。経過は人によってさまざまですが、小学校入学時にアトピー性皮膚炎があっても、卒業するまでに約半数は治るとの結果もあり、ご相談のお子さんも治らないわけではありません。

 アトピー性皮膚炎の患者はもともと皮膚のバリアー機能が弱いため、保湿力が弱く乾燥肌になりやすかったり、皮膚に細菌やカビの感染が起きやすかったりして、皮膚へのいろいろな刺激に対し、炎症を起こし、かゆみを感じやすくなっていると考えられています。乾燥やアレルギー物質、感染などのいろいろな刺激から皮膚に炎症が起き、かゆみによって皮膚をかくことで、バリアー機能がさらに傷つき、炎症がひどくなる悪循環が起きます。

 年齢とともに皮膚のバリアー機能が発達するとしても、皮膚の炎症を抑えて、バリアー機能を修復し悪化を防がないと、アトピー性皮膚炎は治っていかないと考えられます。

悪化因子を調べて

 そのため皮膚の炎症をステロイド軟こうなどできちんと抑えるとともに、保湿剤を使用してスキンケアを行うことが重要です。また、せっけんや洗剤、衣服からの刺激、汗、細菌やカビ、ほこり、花粉などのアレルギー物質がアトピー性皮膚炎の悪化因子となっていないかを確認し、その因子を避けることも必要です。

 乳児期には食物に対するアレルギーが悪化因子となることも多いため、原因となる食物を調べ、原因となる食物が見つかった場合には、摂取を控えることがあります。誤った食物除去や過剰な除去を避けるため、医師の指導の下で行うことが必要です。

 小学校入学以降では食物が悪化原因となることはまれで、ほこりや花粉、細菌など、他の悪化原因を調べて、その対策を行うことが重要になります。塗り薬の成分が体に合わないことで悪化因子になる場合もあります。ステロイド軟こうや保湿剤の使用方法が皮膚の炎症を抑える上で適切かどうか、悪化原因は何かを医師と一度相談されてはいかがでしょうか。

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