「これからビル」1階にオープンしたカフェリビング「sumu」。まちに少しずつ新しい風を呼び込みたい=5日、福井市中央1丁目のガレリア元町商店街

 空き店舗だった1階フロアが生まれ変わり、お客さんたちの笑みがこぼれた。まちにとっては小さな一歩かもしれない。でも思わず、素直に感動した。カフェリビング「sumu」(すむ)が5日、福井市のガレリア元町商店街にオープン。本紙連載「まちづくりのはじめ方」企画班が参画する民間出資会社「福井木守り舎(きまもりしゃ)」の第1弾事業「これからビルディング」がスタートを切った。

 歩行者天国イベント「まちフェス」とも重なり、人通りは普段の日曜以上。ビル隣の広場「ガレリアポケット」が車いすバスケ体験の催しでにぎわう中、正午のオープン直後から家族連れや若い女性らが次々と来店した。看板メニューのエッグベネディクト、福井市越廼地区のイカへしこオイル漬けを使ったジャーサラダもおおむね好評だった。営業時間は午前11時~午後10時。メニューは、福井らしい食材を今後も随時取り入れて充実させていく予定だ。

 先日、福井大の授業の一環で、学生たちと話し合う機会をもらった。まちなか活性化に対し、若者の意見は正直だ。「駅前は古い感じ。全国で同じ物を売っているチェーン店の方が安心できる」「金沢みたいに発展してほしい」

 でも、全国的に似通った郊外のロードサイドと違って、中心市街地にはその土地ならではの魅力がある。規模で比べるんじゃなく、福井は福井らしいまちにしていきたいよね。そんなふうに返すと、後日に感想を伝えてくれた。「人の営みが見えて、地元の人が愛着を持てるまちが、やっぱりいい」

 sumuは、まちに住む人、過ごす人がくつろげる「リビング」を目指した店。周辺の商店街にも、まちを盛り上げる動きや魅力的な店舗は増えてきている。中心市街地と今まで疎遠だった学生たちには、どう映るだろうか。エリア全体で小さな動きを積み重ね、新しい風を少しずつ呼び込んでいきたい。(細川善弘)

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