7年ほど前から、両耳の外側の中央部分と、両足の中指の痛がゆい状態が続いています。耳のかゆい部分は1センチほどです。耳、足の指とも赤みや乾燥はなく、見た目の異常はありません。市販のかゆみ止め薬を付けると3日間ほどで治まりますが、また症状が出ます。暖かい布団に入ると、痛がゆさは増します。数年前に一度皮膚科を受診しましたが、ひどくなっているわけではないのでそれきりになっています。この状態がずっと続いたり、症状が広がったりするのでしょうか。(坂井市、82歳女性)

【お答えします】横田日高 福井赤十字病院 皮膚科副部長

■皮膚の知覚過敏の可能性

 痛がゆさが続いていて心配されているかと思います。耳、足の指とも赤みや乾燥がないにもかかわらず皮膚のかゆみが続いているようなので、「皮膚ソウ痒症(そうようしょう)」といって、皮膚の神経が知覚過敏状態になっている可能性があります。皮膚が知覚過敏になっているため、ちょっとした刺激に対しても過剰に反応し、かゆみを覚えるという状態になっているのです。

 原因は、もともとの皮膚全体が乾燥肌(ドライスキン)の状態であったり、内服している薬剤、肝臓や腎臓など内臓の持病の影響が考えられます。特に高齢者の方は日ごろから多くの薬を内服していることが多いので薬剤のチェックはかかせません。ただ、内服中の薬剤の影響が考えられた場合でも、自己判断で内服をやめてはいけません。主治医の先生に相談した上で、内服の中止または変更されることが重要です。

 内臓の異常が原因になっている場合は、その治療を行います。乾燥肌が原因の場合は、塗り薬などの保湿剤で水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激から皮膚を守ります。かゆみを抑える抗アレルギー剤の内服を併用することもあります。

■肌への刺激を避けて

 日常生活の注意点としては、空気が乾燥している場合には加湿器を使用して部屋の湿度を保ってください。入浴時にせっけんやシャンプーで皮膚をこすりすぎるのはよくありません。入浴温度も38〜40度の低めにします。下着も、けばだった衣類を避けて皮膚への刺激を少なくすることを心掛けましょう。

 皮膚ソウ痒症は原因がはっきりしないことも多いので、長期間症状が続いたり、症状が広がったりする可能性はあります。皮膚の病気は「百聞は一見にしかず」ということわざにもある通り、実際目で見て診察しないとなかなか分からないことが多いので、お気軽に皮膚科医療機関を再度受診されるのがよいかと思います。

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