リノベーションまちづくりの可能性を、全国に広げるきっかけになっている「リノベーションスクール」は、終わってからが本番なのだと思う。スクールで生まれた提案と熱を福井のまちは、どう生かしていくのか。人口減少社会の中で、リノベーションまちづくりに活路を見いだしている全国の関係者は、福井の“本気度”に注目するだろう。

 スクールを取り仕切った建築家の嶋田洋平さんは「空き店舗、空き家はまちの潜在能力。変化の可能性が無数にある」と訴えた。福井市内で既に空き物件を生かした事業を進め、受講者の指導役となった内田裕規さん、森岡咲子さんをはじめ、本県在住・出身の個性豊かな面々がスクールを支えた。まちづくり最大のコンテンツである「人材」の豊富さを象徴している。既存の建物を活用してエリアの価値を高めるリノベーションまちづくりの土壌はある。

 受講者が徹夜で練り上げたプランには、はっとするアイデアが幾つも詰まっていた。「まちの小さな変化は必ず伝播(でんぱ)する。変化を起こし続けると、まちは変わる」(嶋田さん)。本紙まちづくり企画班も「何をしたら、まちが面白くなるか」という視点で「小さな変化」を起こす一員として今後も活動を続けたい。

 先進地の北九州市は「新成長戦略」にリノベーションの推進を掲げ、独自の制度融資を設けている。なくなると一気に収支が厳しくなる一時的な補助金よりも、制度融資によって民間が行政に依存せずに自走できる仕組みをつくろうとしている。

 今回のスクールを共催した福井市の東村新一市長は、閉校式で「お金がない時代の中で、まちの鼓動をどうつないでいくか。これからも(スクールを)継続的にやらせてもらいたい」と述べた。民間は民間として、行政は行政としてやるべきことは何なのか、いま一度考え直し、そしてすぐに動きだそう。(高島、細川)

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