町家活用のシンポジウムで「何気ない日常の風景に価値がある」と説く馬場正尊さん=2月28日、福井県坂井市みくに文化未来館

リノベーションのまちづくりについて「まちの潜在価値を編集すること」と語る大島芳彦さん=3月20日、福井市の県繊協ビル

 リノベーションスクール@福井は、福井市中心市街地の二つの空き物件に対して受講者グループをそれぞれ編成し、エリアの価値を高めるための事業計画を3日間かけて練り上げる。各グループの計画づくりを指導する「ユニットマスター」を務めるのは馬場正尊さん(東京)と大島芳彦さん(同)。ともにリノベーション界の先駆者として活躍する建築家だ。

 馬場さんは2003年、個人のこだわりや好みといった新しい視点で、一風変わった不動産の魅力を発見し仲介するサイト「東京R不動産」を仲間と共に開設。古い物件に価値を見いだす風潮が広まるきっかけとなった。佐賀県出身で、佐賀市の町家にカフェや工房などのテナントを集めてまちの魅力をつくるプロジェクトを手掛けている。

 福井県との関わりでは、福井市の通称浜町(中央3丁目)を舞台に活性化策を探る「浜町コミュニティデザインコンテスト」で審査委員を務めた。今年2月には坂井市三国町で町家再生をテーマに講演し、「風景はかけがえのない資産。心に響く風景が新しい収益を生む大きな原動力になる」と説いた。

 大島さんは00年ごろから、リノベーションをテーマにした建築設計やコンサルティングなど多数の事業を展開。今年3月には東京・代官山の6階建てビルに、子どもとクリエイターが育つ場として、シェアオフィスやイベントスペースを備えた複合施設をオープンさせた。

 福井市内で開かれた今年3月のリノベーションセミナーでは、「家を新しくつくる時代から、自分なりに暮らしを『編集』する時代になった」と指摘。建物の活用を考える上では、共感を生む「物語」が、住環境や社会環境の魅力をつくっていくと語った。

 事業計画の対象となる2物件は、スクール初日に発表される。(細川善弘)

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