小学2年の孫娘は、2年前に前歯の乳歯2本が抜けました。先日、歯科医院でエックス線検査をしたところ、永久歯がないことが分かりました。このまま永久歯が生えてこなかったらどうしようと心配です。このような例はあるのでしょうか。また原因は何なのか教えてください。(福井市、女性)

 【お答えします】山口智明・福井県済生会病院口腔外科医長

 ■先天性の欠損か

 歯は、乳歯が上下合わせて20本あり、これが抜けると永久歯が生えてきます。永久歯は「親知らず」を除くと、28本あります。通常はエックス線撮影をすれば、乳歯の下に「永久歯胚(はい)」という、永久歯の卵のようなものが確認できます。永久歯胚が見られないのであれば「永久歯の先天性欠損(けっそん)」と判断します。もともと歯胚が作られていないため、永久歯が生えてこないという現象です。

 永久歯の先天性欠損はしばしばあることですが、要因は明らかになっておらず、原因特定は困難です。

 相談では、乳歯の前歯は既に抜けているとのことですから、そこに空隙(くうげき)、いわゆる隙間ができていると思われます。

 そのまま放置すると、周囲の歯の移動や傾きによって、歯並びやかみ合わせに支障が出る可能性があります。空隙に対する何らかの治療が必要となります。

 ■成長考えながら治療を

 一般的な治療法としては▽矯正治療で他の歯を動かし、空隙を埋める▽ブリッジ(左右の歯を支えに、橋を架けるように義歯を入れる方法)で空隙を埋める▽インプラント(人工歯根)を空隙の部分に埋める-などが行われます。

 ただ、治療方法の決定には、現在ある他の歯や、顎(あご)の骨の状態、かみ合わせ、年齢などを十分に考慮しなければなりません。

 また、先天性欠損の治療は成長も考えながら行わないと、歯や骨に悪影響を与えてしまうこともあります。そのため治療期間は長期にわたることが予想されます。

 欠損の状態などによって治療方法が異なりますので、まずはかかりつけの歯科医に状態に合わせた治療方針を提示してもらい、方法を決められることをお勧めします。

関連記事