最近、左右の奥歯が甘いものや冷たいものでしみるようになり、歯科を受診したところ、虫歯ではなく「知覚過敏症」という診断を受けました。その原因と治療方法が知りたいです。(敦賀市、30代男性)

【お答えします】多田伸一郎・多田歯科クリニック院長

■歯ぎしりやかみしめも原因に

 知覚過敏の原因は、研磨剤の多い歯磨き粉や硬い歯ブラシによるブラッシング、酢酸・炭酸飲料やヨーグルトといった酸性食品の取り過ぎによる酸蝕(さんしょく)症などが考えられます。中でも最近注目されているのがブラキシズムです。

 ブラキシズムは歯ぎしりや、かみしめ、食いしばりなどをいいます。就寝中だけでなく、起きている間もストレスを感じたり力仕事をしたりすると現れます。ブラキシズムをする人の特徴として、歯の磨り減りや根元がくさび状に欠ける状態が認められます。下あごの骨の隆起や、頬の粘膜、舌に歯の跡が付いていることなども、かむ力の強さの影響だと思われます。

 最近の研究で、1日に20分以上、上下の歯が接触している状態をTCHと呼び、弱い力が長時間作用すると、口の中にさまざまな問題が起こることが分かってきました。

■歯の磨き方、食事内容を見直す

 歯の生え際は、硬いエナメル質で覆われた歯冠と軟らかい歯根が切り替わる部分に受ける力が集中し、細かく欠ける「チッピング」が起こりやすい場所です。

 また、歯根の表面には象牙(ぞうげ)細管というごく細かい穴が空いていて、温度や乾燥、圧力などの刺激で象牙細管内の液体が動き、歯髄の神経を刺激して痛みを感じます。さらにブラキシズムによる知覚過敏は、1本の歯だけに症状が出るのではなく、口の中全体に及ぶこともあります。

 知覚過敏は原因が複雑に絡み合っている場合があり、確実に治す方法はまだ確立されていないのが現状です。原因となる誤ったブラッシングや食事の偏りを改善し、かみ合わせの癖を自覚して対応します。また、対症療法として、歯の根元や生え際に知覚過敏用のコーティング剤を塗ったり、知覚過敏用の歯磨き粉を使ったりすることなども考えられます。

 中には歯の神経の炎症がひどく、改善しないこともあります。このような場合には、福井県歯科医師会員のかかりつけ歯科医を早めに受診することをお勧めします。

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