青木純さん(左から2人目)とフラットプロジェクトのメンバーが対談したリノベーションスクール@福井の事前セミナー=10日、福井市の繊協ビル

 福井市で開かれる「リノベーションスクール@福井」(6月19~21日)に合わせた事前セミナーが10日、同市の繊協ビルで開かれた。全国各地でのスクールで事業計画づくりを指導してきた大家業「メゾン青樹」の青木純さん(東京)が、リノベーションで自分らしい暮らしの舞台をつくる意義を説明し、「楽しいと思える未来のために動きだそう」と投げ掛けた。スクール本番を前に、受講希望者らは自らのまちや暮らしのために行動する気持ちを高めた。

 遊休不動産の活用でエリアの価値を高めるリノベーションまちづくりの機運を高めようと、スクール主催者のまちづくり福井が2回シリーズで企画。初回のこの日は受講希望者を含む福井県内の建築・不動産業者やデザイナー、行政職員ら約80人が参加した。

 住まい手本位の賃貸住宅を提案している青木さんは、リノベーションについて「建物の改修自体に大きな意味はなく、仕組みや見方を変えるべきだ。人が集まり、にぎわいが生まれるのが大事」と指摘した。

 2011年に大家を継いだ13階建てマンションでは、入居者が壁紙を選べたり、床板を自ら張ったりする仕組みで「暮らし方をデザインできるようにした」と説明。住人たちが屋上をヨガや野菜作りに使うほか、シェアオフィス(共同事務所)を設けて地域にも開放するなどして、人と住宅とまちの関係性が生まれていったと紹介した。

 後半は、福井市順化2丁目の古いビルをリノベーションして交流や学びの場をつくった「フラットプロジェクト」の内田裕規さんらメンバー4人と青木さんが対談。メンバーは「誰のためでもなく、この場所ができたら自分たちが絶対面白いと信じてやってきた」と話し、青木さんも「無理せず、気負わず、楽しんでやるべきだ。その結果がみんなのためになる」と同調した。

 リノベーションスクール@福井は、県内外の受講者が3日間かけ、JR福井駅周辺にある2軒の空き物件を活用する事業計画をつくる。最終プレゼンテーションで物件オーナーの了承が得られれば、事業化につなげる。

 この日の参加者のうち、スクール受講を希望する同県越前町の大工男性(38)は「地域にあるものを活用するための想像力を身に付けたい」と意欲を高めた様子。福井市の会社員男性(27)は「若い世代からの発信が、物件オーナーに届くといいなと感じた」と話していた。

 事前セミナーの第2回は6月5日、北九州市などでリノベーション事業を手掛ける嶋田洋平さん(らいおん建築事務所)をゲストに招く。

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