朝昼晩きちんと普通の量の食事を取っていますが、2カ月ほど前から、食後2時間半から3時間たつと空腹でどうしようもなくなり、頭がくらくらします。やむなく午前10時と午後3時に茶わん1杯程度のご飯などを食べます。空腹でおにぎりを食べた直後のヘモグロビン(Hb)A1cは6・5%で、糖尿の疑いがあるが今は特別な異常はないと言われました。隠れた問題があるのではないかと心配です。(鯖江市、82歳男性)

【お答えします】勝田裕子・福井県立病院内分泌代謝科医長

■反応性低血糖の可能性も

 異常な空腹感や、食べるとよくなる症状は、低血糖症状と思われます。

 低血糖症は空腹時に起こる空腹時低血糖と、食後5時間以内に起こる反応性低血糖に分類され、原因も異なります。食後2時間半〜3時間の低血糖症は反応性低血糖が疑われます。反応性低血糖の原因の多くは、胃切除などの消化管手術後や2型糖尿病の初期です。

 相談者は胃切除歴がなく、過去1〜2カ月の血糖状態の指標となるヘモグロビン(Hb)A1cは6・5%であり、2型糖尿病の初期である可能性があります。

 反応性低血糖を診断するためには、ブドウ糖負荷試験を行い、負荷後5〜6時間までの血糖と血糖を下げる働きのあるインスリンを調べます。

 一般に反応性低血糖は、血糖とインスリンのタイミングがずれることにより生じます。正常な場合は、血糖値とインスリンは似たようなタイミングで上昇し低下するのですが、2型糖尿病初期や境界型では血糖値に比べてインスリン分泌のピークが遅れます。そのため血糖値が下がってくる頃にインスリンが相対的に多くなり低血糖になると考えられています。

■念のため腫瘍の検査も

 反応性低血糖以外にまれな病気として、巨大腫瘍などの場合があります。これは画像とインスリンなどの採血結果を組み合わせて診断します。

 相談者の方は体重が減っているようですし、念のため悪性腫瘍の検索は必要と思われます。低血糖を生じる腫瘍はかなり大きい場合が多いので、膵臓以外についてもCTスキャン検査などをお勧めします。

 ブドウ糖負荷試験、CTスキャンなどを行い、ここまでに記した全ての疾患が否定的であった場合は特発性反応性低血糖と診断されます。反応性低血糖の大部分は、食事を小分けにすることで症状が改善します。


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