昨年秋に中耳炎になり、耳だれが出始めました。治療中に抗生剤が使えない菌が見つかり、鼓膜に穴が空いているので症状が繰り返すと言われています。テレビの音を小さくしたり、入浴時は乾いたタオルで耳を覆ったりして生活にも気を使っています。再発を防ぐにはどうすればよいのでしょうか? (福井市、76歳女性)

【お答えします】大澤陽子・福井赤十字病院耳鼻咽喉科副部長

■鼓膜の奥に膿がたまる

 耳の中に耐性菌が見つかり、治療に時間がかかったようですね。

 中耳炎は、急性中耳炎、滲出(しんしゅつ)性中耳炎、慢性中耳炎に大きく分けられます。

 中耳は鼓膜の奥の空間で、外耳から入ってきた音を大きくして神経(内耳)に伝える場所です。中耳は耳管を通して鼻につながっています。急性中耳炎は、鼻に入った細菌やウイルスが耳管から中耳に感染し、急激に液(膿(うみ))がたまって熱や痛みが出ます。

 中耳に液がたまりすぎると、自己防衛で鼓膜に穴が空き、液を出そうとします。この液が、中耳炎の耳だれです。耳だれは1〜2週間で自然に治る場合もあります。適切な治療をせずに放置すると鼓膜に穴が開いたままになるため、必要に応じて抗生剤が必要になります。

 滲出性中耳炎は、慢性的な鼻炎などで耳管がふさがれて中耳内に液がたまります。熱や痛みはありませんが、液がたまった状態が続くと難聴になります。鼻炎がよくなると自然に治ることが多いため、一般的には鼻炎を治療しながら経過をみます。なかなか治らない場合は、鼓膜を切ったり、チューブを入れたりします。

■鼻炎に注意し手術で完治も

 耳だれが出た後に鼓膜の穴がふさがらない状態が続くと、鼓膜の穴を通して外気に中耳がさらされて慢性的に炎症を起こします。これが慢性中耳炎です。耳だれが続き、難聴が治らなくなります。慢性中耳炎になると、手術をしないと完治しません。

 ご相談の場合は鼓膜に穴が開いた状態なので、慢性中耳炎と思われます。耳だれの再発を防ぐために、テレビの音を小さくする必要はありません。耳に水が入らないように気を使うのはよいことだと思われます。さらに、鼻炎に気を付けた方が耳だれの予防になると思われます。

 手術で完治させる方法もあるので、かかりつけの耳鼻咽喉科医とよく相談することをお勧めします。

関連記事