家守ブートキャンプで事業計画を発表するチーム福井の4人(奥)=2月9日、北九州市

 「なぜ、へらへら笑ってるんだ! まちづくりを真剣に考えているとは思えない」

 2月に北九州市で開かれた「家守(やもり)ブートキャンプ」の2日目。他県チームに講師陣から雷が落ちた。

 緊張を感じながらも「チーム福井」には、まだ余裕があった。福井市のガレリア元町商店街にある空きビルの1階を飲食店、3階をシェアオフィス(共同事務所)にし、隣にある市の広場と一体的に活用する事業計画。初日の発表で、計画全体のまとまりや広場活用の可能性に一定の評価をもらっていた。

 チーム福井は、まちづくり会社「福井木守(きまも)り舎(しゃ)」の阿部俊二取締役、建築士の丸山晴之さん、第三セクターまちづくり福井の前田浩貴さん、福井市商工振興課の木村哲郎さん。福井新聞まちづくり企画班の2人もそこにいた。

 ただ、講師1人からの大切な投げ掛けに、答えを用意できていないことが胸に引っかかっていた。

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 「この飲食店は何がとんがっているのか、よく分からない。すぐに埋もれますよ」

 「経営の全責任はだれが負うのですか」

 3日目の最終プレゼンテーション。講師陣の厳しい指摘が1階に集中した。初日にも突かれた点だ。広場を含めたビル全体のコンセプトはよくても、“看板”となる飲食店が失敗しては、絵に描いた餅に終わってしまう。

 「飲食店の客層でまちの価値まで変わってくる。福井の駅前を変えるだけの客層を呼べる店になりますか」。一言が重くのしかかった。

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 実は、飲食店の運営形態は木守り舎の中で一番迷っていた課題。有力テナントを呼び込みたい企画班と、木守り舎による直営店を主張する取締役の間で、意見は真っ二つに割れていた。店の経営者が決まっていないのだから、飲食店の“売り”を明確に示せるわけがない。

 講師陣からはもう一つ、助言があった。「チームのメンバー入れ替えを検討してみたら」。要は仲間うちの議論ではなく、もっと多様な人材の意見やセンスを取り込め、ということだろう。

 「先生たちはすべてお見通しだったな」。3日間の日程を終え、阿部取締役と顔を見合わせた。重い宿題を持ち帰った。(高島健、細川善弘)

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