まちづくり事業の起こし方を学ぶ家守ブートキャンプ。講師陣からは厳しい指摘が相次いだ=2月9日、北九州市

 「この3日間で今後3カ月の事業スケジュールを立ててください」。2月に北九州市で開かれた「家守(やもり)ブートキャンプ」は、むちゃとも思える講師陣の投げ掛けで幕を開けた。

 自分たちのまちを何とかしたいと考える全国の若手事業家や自治体職員たちが、チームで参加してまちづくり事業の起こし方を身に付ける。単なる学びの場ではない。「帰ってからそれぞれの地域で実行しないと意味がない」(講師陣)

 各チームは初日に事業計画を示し、講師の助言を受けながら再考した案を最終日に発表する。助言といっても、現実を突き付ける痛烈な指摘の数々。その場で受け止め、答えは自力で導きださないといけない。

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 講師は一般社団法人「公民連携事業機構」の清水義次さん、岡崎正信さん、木下斉(ひとし)さん。3人が関わった岩手県紫波(しわ)町の「オガールプロジェクト」は、行政の補助金に頼らずに官民協働で展開するまちづくりの成功例として知られる。

 その中核、2012年開業の「オガールプラザ」は、遊休化した町有地を民間会社が借りて建設した複合施設。町が施設の一部を買い取り、図書館を運営。テナントの産直市場や居酒屋、カフェは、図書館の利用者を集客しながら民間会社に家賃を支払う。公共事業と民間投資の相乗効果で収益性を高め、建設費の返済と維持費をまかなう仕組みを担保している。

 3人は、自立と継続のためにはちゃんと稼ぐことが大切といい、「社会貢献の気持ちだけで、もうからない事業をやっても続かない」と、収益を生むという感覚を受講者にとことん要求した。

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 各チームが事業計画を発表すると、講師陣から苦言が相次いだ。

 2、3階の空きビル活用を探る案は「1階からまちを変えないと効果はない。1階の家賃が高いなら何で裏路地の安い物件を探さないの」とばっさり。オフィス向け弁当販売の企画は「市場が大きくて魅力に思うんだろうけど敵も多いよ。付加価値がないなら辞めた方がいい」と否定した。

 軍隊の新兵訓練を指す「ブートキャンプ」の名の通り、容赦のない駄目出し。福井チームが練ってきた事業計画も、その例外ではなかった。(細川善弘)

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