空きビルの事業計画づくりの議論を多彩なアイデアでリードしてくれる丸山さん(右)と前田さん(左)=5日夜、福井市のまちづくり福井

空きビルの事業計画案を練る「勉強会」の資料。マップや建物の図面をにらみ、ビルに持たせる機能を考えた

 まちづくりの面白さは人の輪の広がり―。昨年来、まちづくりを実践してきて、つくづく感じている。

 福井市のガレリア元町商店街にある空きビルの活用を想定し、食の拠点計画を磨き上げている「勉強会」。まちづくり会社「福井木守(きまも)り舎(しゃ)」のメンバーに加え、企画班とこれまでに交流があった人たちも参加している。

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 福井市の前田浩貴さん(28)は、勉強会の立ち上げを呼び掛けてくれた第三セクターまちづくり福井の社員。大学で建築を学んだ技能を生かし、完成後のビルのイメージをイラストで分かりやすく提示した。この“見える化”によって、互いに空想していた案が一つに固まっていった。

 「福井の中心市街地を楽しいと思う人が増えてほしい。多くの人が気軽に立ち寄れて、このビルから面白いアイデア、ストーリーが生まれるようにしたい」

 同市の建築士丸山晴之さん(43)は、企画班が昨年10月にガレリア元町商店街で開いたイベントの会場設計図を引いてくれた人。

 先の勉強会で、「ビル3階のシェアオフィス(共同事務所)に集まるクリエーターたちで、まちを元気にするための会社をつくれたら面白いですよね」と提案。建築士の枠にとどまらない柔軟な発想が丸山さんの魅力だ。

 「建築は、格好のいい建物を造るのが目的ではなく、生活環境や地域社会をどうよくするかが大事。勉強会を通して自分自身を成長させたい」

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 2月5日夜。昨年11月からの勉強会も、いよいよ最終回。計9回の集まりで、空きビルの事業計画案がまとまった。一同、「これなら、今までにない新しい場所になるね」。

 収支計画書を点検する。1~4階の事業で見込める収益は。厨房(ちゅうぼう)などに必要な設備費は。心配だった建物の改修費も、何とか現実的な範囲に収まりそうだ。

 この事業計画案を携え、リノベーション(新たな用途を前提にした建物改修)のまちづくり先進地・北九州市に乗り込む。出発は9日。「よし、頑張りましょう」「それじゃあ、現地で」。先方の反応が楽しみだ。(高島健、細川善弘)=第7章おわり

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