建設中のJR福井駅西口再開発ビル(右下の円内)と西武福井店(左上の円内)。二つを結ぶ歩行者動線を福井市は「にぎわい軸」と位置づけている=昨年11月、本社ヘリから撮影

広場「ガレリアポケット」(手前)から見た西武福井店に続く通り。広場と再開発ビルを結ぶ通路ができれば、新たな歩行者動線になる=福井市中央1丁目

 福井市の2013年度分の調査。中心市街地から鉄道やバスに乗ったのは約1万6900人で、10年度に比べて約600人増えた。なのに、歩行者の通行量は1日約3万3千人(10地点合計)と約8千人も減っている。JR福井駅西口の再開発ビル工事の影響があるとしても、さみしい数字。まちに人は来ているけれど、歩き回ってはいない―。単純に考えれば、そうなる。

 広場「ガレリアポケット」東側に市が計画する歩行者専用通路の整備は、まちの回遊性を高めるのが狙い。そこから西武福井店につながる新たな動線を「にぎわい軸」と位置づけている。ただ、人の流れの“受け皿”がそこに十分にあるかといえば…。

 「駅前に行っても、くつろげる場所がない」「西武(福井店)に行って、帰るだけ」。市のデータを裏付けるかのような声を聞く。「軸」はできても、「にぎわい」が伴うかどうかは別問題だ。

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 まちづくり会社「福井木守(きまも)り舎(しゃ)」の食の拠点計画は、空きビルの事業化とともに、隣接する広場と通路を使わせてもらうことを想定している。それが動線を生かす受け皿になると信じている。

 けれど、ハード整備だけを先行させてしまっては、床を増やしてから中身を決める再開発ビルのやり方に似て、実効性を欠く。連携できないかと、市役所に“直談判”しに行った。

 幹部職員の返答は「ただ通路をつくるだけじゃ、意義は薄い」。「民間の動きが絡まないと、せっかく公共空間を整備しても生かせない」。話はとりあえず通じた。

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 食の拠点計画を話し合う「勉強会」は、昨年11月に始まった。木守り舎に呼応して、第三セクターまちづくり福井が音頭を取り、市の担当職員も同じテーブルに就いた。職員は「通路整備にかかる予算措置の見通しを確認しないといけないですね」と前向き。連動の可能性が見えてきた。

 官民が構想段階から同じ目線で空間の利用策を考え、歩調を合わせて仕事を進める。そうした意味でも、挑戦的なプロジェクトになる。(細川善弘)

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