秋に風邪をひき、長引きましたが治りました。ただ、いまだにせきが止まりません。呼吸器科を受診して薬を飲んでいますが、良くなりません。いつも、のどにイガイガした感じがあり、一度せきが出ると連続して激しくせき込み、つらいです。(福井市、66歳女性)

【お答えします】阿部哲也・福井総合病院内科医長

■たんが多ければ耳鼻科受診も

 せきの症状が秋から続いているとのことですので、3週間以上せきが続いていると推測した上で回答させていただきます。

 せきは3週間未満を急性、3週間から8週間を遷延(せんえん)性、8週間以上を慢性とされます。今回の症状は3週間以上なので遷延性もしくは慢性のせきになります。ガイドラインに照らし合わせると、まず感染後咳嗽(がいそう)が疑われます。

 この疾患は、主にウイルスなどの気道感染に続いて生じます。▽風邪症候群が先行している▽遷延性あるいは慢性のせきを生じる他の疾患がない▽自然に治まる傾向がある−の三つが特徴とされます。

 しかし、ご相談の内容から症状が自然に治まっていませんので、別の疾患を考えなくてはいけません。既に呼吸器科を受診しているので、遷延したせきが生じる感染以外の疾患(肺がんなど)や、感染性疾患(結核や百日ぜきなど)はないとします。それ以外で遷延するせきをよく合併する疾患の代表例としては、せきぜんそく・アトピー咳嗽、慢性気管支炎、副鼻腔(びくう)気管支症候群、逆流性食道炎が挙げられます。

 慢性気管支炎は喫煙が原因の場合が多く、喫煙しているのであれば、当然禁煙が必要です。

 たんが多い場合、副鼻腔気管支症候群といった耳鼻咽喉科疾患を疑うため、耳鼻咽喉科の受診も視野に入れた方がよいと思われます。食後に特にせきが多いとすれば逆流性食道炎が原因の場合もあります。


■せきぜんそく、アトピー咳嗽か

 今回は、いつものどにイガイガした感じがあり、連続して激しくせき込むとのことですから、せきぜんそくとアトピー咳嗽が一番考えられるのではと思います。せきぜんそくは、いわゆるせきだけを症状とするぜんそくです。アトピー咳嗽は、中年女性に多いのどのかゆみを伴う乾いた咳嗽です。

 就寝時の症状が特に多いとされますが、他にもエアコン、たばこの煙などで症状が出ることがあります。治療は、両疾患とも吸入ステロイド薬が効果的な場合が多く、受けていないのであれば主治医に相談してみてはいかがでしょうか?

 また、せきぜんそくは治療を終えると症状が再び出ることが多いため、長期の治療継続が必要な場合があります。その点も相談されるのが重要と考えます。

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