2年前に前立腺の炎症と診断され、セルニルトンという薬を処方されました。1カ月半薬を飲んで、楽になったのでやめました。その後、1年ほどするとまた症状が現れて薬を飲み、今はこの繰り返しです。前立腺がんを見つけるためのPSA(前立腺特異抗原)検査で経過観察となり、同じ状況が続くとがんになるのではないかと心配です。(越前市、63歳男性)

 繰り返すしつこい症状にお困りのことと思います。尿検査や血液検査では異常がないこと、症状やこれまでの治療経過から慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)と考えます。足の付け根や陰部の痛みは、排尿の回数増加、残尿感といった症状とともに、この病気でよくみられる症状です。

 原因は十分に明らかになっていませんが、身体的・精神的なストレスがその一つと考えられています。長時間のデスクワークや自動車の運転などは骨盤内の血流を悪くし、症状の発生、悪化に関係しています。

 治療のポイントは、日ごろの生活で原因を取り除くとともに、前立腺の炎症を鎮めたり緊張を和らげたりする薬の使用です。仕事で長時間座っている方は、時々休憩時間を設けて体操や散歩などの運動をしてはいかがでしょうか? ゆっくり入浴することは血流をよくして、精神的緊張をほぐし、症状を和らげます。また、症状が強いときはアルコール飲料や刺激の強い食品を控えてください。

 薬による治療は、患者さんの症状や状態を診て、セルニルトンのような植物エキス製剤や漢方薬、抗菌薬、前立腺肥大症の治療薬を使います。通常1カ月程度の治療で症状は軽くなりますが、治りにくく、症状が良くなったり悪くなったり波がある場合もあります。

 この病気が悪化して前立腺がんになるのではないかと不安になる方もいますが、そのようなことはありません。前立腺がんはこの病気と因果関係のない別の病気ですが、同時に存在することもあります。早期発見・早期治療につながるスクリーニング検査は大切です。

 PSA検査の結果から、今のところ治療を要する前立腺がんが存在する心配は少ないと思われますが、毎年検診を受けることをお勧めします。どうか焦らずに、気長に治療を続けてください。

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