3年前、医師にアレルギー性ぜんそく、右目下蓄膿(ちくのう)症といわれました。点鼻薬とアレルギーの薬で治療してきましたが、あまり変化がありません。ぜんそくの症状は治まっていますが、鼻汁が奥にたまっているようで、せき払いばかりしています。(福井市、75歳女性)

【お答えします】高林哲司 福井大医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教

 ■手術で炎症を取り除く場合も

 蓄膿症は一般的に、副鼻腔(ふくびくう)に膿(うみ)がたまり、慢性的に膿性(のうせい)鼻汁、頭痛、たんなどの症状が起こる病気です。正式には慢性副鼻腔炎という病名がついています。また、副鼻腔の炎症は肺の病気と深く関係しています。

 副鼻腔は顔面にいくつもある骨で囲まれた空洞で、頬、おでこ、目の奥にあります。ご相談の場合、右目下蓄膿症ということですから、上顎洞(じょうがくどう)という頬の部分にある副鼻腔に炎症があると思われます。

 内視鏡などで副鼻腔の出口から膿汁の流出が確認できれば、副鼻腔炎の治療を行います。通常は抗菌作用のある内服薬で治療しますが、効果がない場合や炎症の原因がカビの場合は、手術で炎症を取り除くこともあります。最近は医療器具が進歩し、従来に比べて安全に体への影響を抑えて手術できるようになりました。

 近年アレルギー疾患の増加によって好酸球性副鼻腔炎といわれる蓄膿症とは違ったタイプの副鼻腔炎が増えてきました。粘り気のある鼻汁がたまり、不快感や鼻づまり、頭痛、嗅覚障害など通常の副鼻腔炎に比べて強い症状が出ます。ぜんそくを伴うことが多く、治療も非常に困難です。

 現時点ではステロイド薬が治療の中心ですが、副作用の面から長く使いづらく、当施設では近々好酸球性副鼻腔炎に対する新しい治療法に関する臨床研究を予定しています。興味がある方はお問い合わせください。

 ■病状を理解し根気良く治療を

 副鼻腔の炎症は治まっても、鼻の奥の違和感がなくならない場合があります。上咽頭と呼ばれる鼻の一番奥の部分は、炎症が治まりにくく、根気良く治療を続けることが必要です。

 また、通常はサラサラしている唾液や粘膜からの分泌液がネバネバすることで鼻汁が奥にたまっていると感じたり、せき払いの原因になります。年齢が原因の場合もありますが、病気や薬の副作用で起きる場合もあります。

 適切に診断を受けて病状に合った治療を行えば、症状が良くなることが多いのですが、治療期間が長くなる場合もあります。医師に詳しい病状を聞いて、患者さん自身も理解した上で治療を行うことが重要です。

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