今年の春すぎから、排尿の力が弱くなってきました。終わりごろは少し力を入れないと出ないような感じです。残尿感はありませんが、量も少なく感じ、日中は特に色が薄い気がします。年齢のためならいいのですが、以前は特に朝方など勢いがありました。受診の必要がありますか? (福井市、56歳女性)

お答えします 中村直博 福井総合クリニック泌尿器科部長

障害の原因を見極めて治療

 排尿障害には、大きく分けて排出障害(尿が出にくいことが原因)と、蓄尿障害(尿がためられないことが原因)、両者が合わさった障害があります。どれに当てはまるかを判断して適切な治療を行うことが重要です。

 外来を受診した方に症状を伺うと、少ない量で尿意を感じてトイレに行くから尿の勢いがないように思う場合も見受けられます。本人は尿が出にくい(排出障害)と思っていても、客観的には十分に尿がためられていない(蓄尿障害)こともあります。

 ご相談の場合、文面から判断すると1回の排尿量が少ないと感じているようですが、排尿の回数はどうでしょうか? 1回ごとや1日を通しての尿の量が少ないかどうかを判断するために、排尿日誌を記録してもらう場合があります。計量カップと記入用紙を渡して、自宅で1日の排尿回数と1回の排尿量を何日か記録し、自分の状態を客観的に把握できます。

 排尿機能を診断する検査にはいくつかの方法があります。尿の勢いや残尿の有無を診断する簡単な検査に、尿流量測定・残尿測定があります。機械の付いたトイレで、尿の量や勢いを記録します。残尿量は超音波を下腹部に当てて測定できます。ちなみに、残尿感の有無と実際の残尿量は無関係です。

 排尿日誌や尿の流量、残尿を測定することで何が原因の障害かをある程度判断できます。


過活動膀胱なら薬で改善

 ご相談者のような年代の女性に多い蓄尿障害に、過活動膀胱(ぼうこう)という疾患があります。尿意切迫感(急に尿意を催してトイレに駆け込まないと漏れてしまうような感じ)を伴った頻尿で、薬物療法により改善が期待できます。また、排出障害が疑われる場合は女性でも尿道が狭くなっていることがあるので、内視鏡での観察が必要と思われます。

 尿の色の変化も気にしているようですが、泌尿器科の外来では採尿して顕微鏡で調べるなどの検査を行っています。

 排尿は毎日の生活に欠かせない行為で、1日の気分や睡眠にも影響します。まずは不安に思っている現在の状態や尿の異常の有無を見極めるために泌尿器科の専門医への受診をお勧めします。

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