さまざまな人が空き店舗の改装作業を手伝ってくれた=9日夜、福井市中央1丁目のガレリア元町商店街

 スギ角材60本、ヒノキ合板40枚。新聞記者になって、こんな買い物をするとは思わなかった。

 福井新聞まちづくり企画班は18、19の両日、福井市中央1丁目のガレリア元町商店街で開かれた食のイベントに出店した。会場は築50年近い木造の空き店舗。傷みが激しく床の補強が必要だったが、予算は乏しい。自分たちでやるしかなかった。

 とはいえ床張り作業の経験なんてあるはずもなく、夜な夜な悪戦苦闘するはめになった。そんな企画班を、さまざまな人たちが手伝ってくれた。イベントの間は、県内の学生ら約20人がスタッフを務めてくれた。申し訳ないことに彼らもボランティアだ。

 連載「まちづくりのはじめ方」を始めて約7カ月。実に多くの方のお世話になっている。人は人とつながっているんだな、と実感している。そのつながりが、いくつも集まって推進力が生まれる。まちづくりの醍醐味(だいごみ)が肌身にしみてきた。

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 「駅前にもこんなに大勢の人が来るんですね!」

 イベント当日、ボランティアの学生は目を丸くしながら接客に追われていた。

 空き店舗をカフェ風に仕上げた店内では、企画班が県内各地で開いてきた野外レストラン「ふくいフードキャラバン」で取り上げた料理を楽しんでもらった。商店街のアーケードには、地域外の事業者たちがほかにも食のブースを並べ、週末の大型ショッピングセンターにも負けない人出だったと思う。

 福井の食はまちづくりの武器になる―。一時的なイベントではあったけれど、この人波を見て、自分たちの方向性は間違っていないと感じた。

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 「記者に何ができるんやって見てたけど、君らは体を張ってたから感動して、な。人は理屈じゃ動かんから」

 イベントを終えた後、こんな言い方でねぎらってくれた男性がいた。床張りを手伝ってくれた地元商店街の関係者だった。

 企画班はこれから、空き店舗の再生による常設店づくりを目指す。それには地元の人たちの理解と手助けが要る。こちらの“本気度”が少しでも伝わったなら、こんなにありがたいことはない。あのにぎわいが日常になる商店街を夢見て、また汗をかきたい。(高島健)

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