数年前から、目に火花やギザギザのようなものが現れ、時々視野が狭くなります。今年春に眼科を受診し、脳の検査を勧められました。MRI(磁気共鳴画像装置)の検査を受けましたが異常はなく、内科で「片頭痛では」と言われました。12年前に軽い脳梗塞になったのが関係しているのでしょうか?(福井市、64歳女性)

【お答えします】 菊田健一郎 福井大医学部脳脊髄神経外科教授

血管や脳波の検査も受けて !

 眼科で診察を受け、目に異常がないのに目の前に火花やギザギザが現れたときに視野が狭くなるという症状は、視覚中枢である脳の後頭葉の症状と考えます。

 症状は一過性で毎回完全に回復していますので、病気としては後頭葉に栄養を送る血管が細くなり、一次的に血流不足が生じる一過性脳虚血発作や、後頭葉の神経細胞が一次的に異常興奮するてんかん発作、片頭痛の前兆発作の三つが考えられます。

 脳腫瘍や脳梗塞などの脳の実質的な病気はMRI検査で診断できます。MRI検査で異常なしと診断されているのであれば、これらの病気ではありません。

 一過性脳虚血発作はMRI検査の一種であるMRA(MRI血管撮影検査)、てんかんは脳波検査でそれぞれ診断できます。

 もし、まだMRAと脳波検査を受けてないようであれば、脳神経外科か神経内科を受診して検査を受けてください。MRIとMRAを一緒に検査する病院も多いので、既にMRAは検査済みかもしれません。

片頭痛の前兆の可能性も !

 MRAと脳波に異常がなければ、一過性脳虚血発作とてんかんではなく、片頭痛と診断してよいと思います。片頭痛は若い女性に多く、遺伝歴のある方も多い頭痛です。特に母親に同様の発作のある方が散見されます。

 症状は、頭痛の20〜30分前に火花やギザギザが見える前兆が始まり、引き続き強い脈打つような頭痛が生じます。まれですが、頭痛がなく、前兆だけが起こる方もいます。今回はこの可能性が最も高いと考えられます。

 発作が頻繁に起こる場合、バルプロ酸やカルシウム拮抗(きっこう)薬といった薬で予防できます。

 また、ストレスや日差しの強い場所で発作が起こるので、これらを避ける生活習慣の改善も大切です。

 人により、ワインやチョコレートなど特定の食品で発作が起こることも知られており、それらの摂取を避けることも必要です。専門医にご相談ください。

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