10月の食のイベント会場となるガレリア元町商店街。企画班が出店し、新プロジェクトのアイデアを探る=福井市中央1丁目

 JR福井駅近くの商店街で目に留まった空き店舗は、そこそこ人通りのある道路に面している。立地条件はいい。木造2階建ての古びた外観で、どことなく味わいもある。

 リノベーション(新たな用途を前提にした建物改修)による店づくり。空き店舗の特徴を生かしながら改修するから、舞台になる物件選びは重要なステップだ。

 福井市の第三セクターまちづくり福井に相談すると「地元の商店街でも、ここを活用する考えがあるみたいですよ」。えっ、どういうこと? 何だか、ややこしくなりそうな予感…。

 早速、地元商店街トップの福井駅前五商店街連合活性化協議会(五連)の加藤幹夫会長を訪ねた。「実はわれわれも、ここをリノベーションして、お店をつくりたいと思っているんですわ」

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 駅前大通りの南側一帯、同市中央1丁目の建物は、築40年以上が過半数を占める。2階以上も含めると、半分以上が空き店舗だ。改修しようにも確実な家賃収入が見込めない。だからオーナーは再投資に踏み切れない。ますます入居者がなくなる。そんな現実をトップとして当然憂えており「出店者側から見て駅前は商業地としての魅力がなくなってきている」と、危機感は強い。

 そこで加藤さんもリノベーションの手法に注目する。具体的な事業を決めてから改修し、投資のリスクをできるだけ抑えることで、空き店舗活用のハードルを下げることができる。

 「今までみたいに不満ばっかり言うんじゃなくて、地元が少しずつでも動いて、まちを変えていく姿勢を見せていかないと」

 中心市街地のハード整備に多額の公金が投じられてきた結果、商店街は「依存体質」と冷めた目で見られがちだ。リノベーションをてこにして、そこから何とか脱皮したい。加藤さんの言葉には、そんな熱意がこもっていた。

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 物件どころか、意図も計画内容も一致するという偶然。だったら互いに協力できれば、それに越したことはない。持ち掛けると、加藤さんは「うまくかみ合えば、事業化できるんじゃないかな。空き物件活用の成功事例をつくりたいね」と乗り気になってくれた。

 本格連携の手始めに、加藤さんから一つ提案も。五連が10月18、19日に開く食のイベントに出店しないかという。ガレリア元町商店街を会場に、周辺の飲食店や駅前への出店希望者がブースを設け、限定メニューなどを販売する。

 企画班が出店するとなれば、野外イベント「フードキャラバン」で出合った地域のメニューを打ち出せる。リノベーションを見据え、空き店舗を絡めたアイデアを盛り込めたら、われわれの新たなプロジェクトにもつながりそうだ。(細川善弘)=第4章おわり

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