福井市中心市街地のマップ。空き店舗を示す赤色が目立つ

 空き店舗だらけのまちなかを歩くたび、割り切れない思いにとらわれる。こんなことになったのは行政の怠慢か、民間事業者の自己責任か、と。あるいは、われわれ市民にも問題があるのだろうか。

 空き店舗対策として福井市は、店舗改修費と1年間の家賃を補助する開業支援制度を設けている。利用状況を知ろうと、第三セクターのまちづくり福井を訪ねた。

 制度が始まった2006年度からの8年間で、JR福井駅周辺には71店舗がオープンし、閉店したのは27店舗。継続率62%はそう悪くない数字に感じた。

 ただ、11年9月以前に開店した40店舗のうち、3年以上の営業継続は22店舗。制度施行後の3年間にできた20店舗に限ると、今も生き残っているのは6店舗だけだ。

 担当者は「家賃補助が終了すると、徐々に経営が苦しくなるケースが多いようだ」と説明する。開業支援はできても「定着」まで支える効果は薄いようだ。

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 福井市は13年度から土地の集約や建物の移転、建て替えによる市街地区画(街区)の再構築を進めようとしている。老朽化した物件の建て替え時期に合わせ、まちを再生する計画だ。

 一気に街並みが変わるかもしれないと期待しつつ、市都市整備室に進み具合を尋ねた。しかし、担当者は「あくまでも中長期的な計画。まだまだ手探り」。市は来年度中に再構築の手法を示すガイドラインを作り、その後、地元説明に入る予定だ。だが、土地や建物は私有財産だけに、合意形成をどう図っていくのか現段階では見通せていない。

 「本来は『こんなまちにしたい』という民間の動きを、行政が後押しする形が一番、スピード感が出る」。担当者もジレンマを抱えている。

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 福井駅周辺の高架化や土地区画整理事業、駅西口の地下駐車場整備…。県、福井市が中心市街地のハード整備に投じた税金は、平成に入ってからだけでも1500億円以上。それでも活性化には至らない。というより、何とか生き永らえているようにしか見えない。

 以前に出会ったまちづくり関係者の言葉を思い出す。

 「駅前は“助成金依存症”。行政からお金が下りて当たり前だと思ってる。自ら汗をかき、リスクを背負って必死に改革しないと、まちは続かない」

 まちは誰のものか。誰が責任を負うのか。リノベーション(新たな用途を前提にした建物改修)によるまちづくりの先に、その答えはあるだろうか。(高島健)

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