2年ほど前から両足のほとんどの指先がピリピリと痛み、特に夕方以降、寝るころにひどくなります。温感湿布を貼ると少しは楽になりますが、寝ていると針で刺されたような痛みが下半身の所々に出ます。これは神経痛でしょうか?(小浜市、83歳男性)

【お答えします】水野勝則 福井総合病院整形外科部長

神経障害性疼痛の可能性高い

 2年前から「両足の指先がピリピリと痛み」、「寝ていると針で刺されたような痛みが下半身に出る」とのことで、さぞお困りだと思います。結論から言いますと、ご相談の痛みは「神経障害性疼痛(とうつう)」の可能性が高いと考えます。つい最近まで放映されていた武田鉄矢さんのCMで、この言葉を耳にした方もおられるのではないでしょうか。

 痛みが出る仕組みは、大きく分けて二つあります。一つは「侵害受容性疼痛」で、もう一つは「神経障害性疼痛」です。前者は、末梢(まっしょう)神経の先端にある「侵害受容器」という器官への刺激が、末梢神経から脊髄、脳という経路を伝わって、最終的に脳で痛みとして認識されます。皮膚を思い切りつねると痛く感じるというのが、この痛みに当たります。

 一方、後者は、神経の直接損傷、圧迫、炎症、代謝異常、血行障害、神経由来の腫瘍などによって、末梢神経、脊髄、脳が直接興奮することにより痛みが出て、脳に伝わります。

 神経障害性疼痛の痛みは、「針で刺されるような」「電気が走るような」「焼けるような」「しびれるような」などと表現されます。擬音では「チクチク」「ピリピリ(ビリビリ)」「ヒリヒリ」「ジンジン」という感じになります。ご相談の痛みは、まさにこれらの表現にぴったり当てはまるのではないでしょうか。

問題が隠れている部位の検査を

 現在の痛みが神経障害性疼痛とすると、重要なのは末梢神経、脊髄、脳のどこに問題が隠れているかということです。83歳という年齢、両足や下半身の痛みを考えると、最も可能性が高いのは「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」ではないかと思います。

 その他、糖尿病がある方は「糖尿病性神経障害」の可能性が高くなりますし、頚(けい)椎や胸椎に問題がある場合もあります。

 最近では、神経障害性疼痛に効果のある薬もあります。ぜひ、近くの整形外科もしくはペインクリニック科を受診して、詳しい検査と治療を受けることをお勧めします。

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