「現代日本画の最高峰 院展」が開幕。革新に挑んだ大画面の作品を観賞する来場者=6月8日、福井県福井市の県立美術館

 福井県立美術館開館40周年特別企画「現代日本画の最高峰 院展」(福井新聞社共催)が6月8日、福井市の同館で開幕した。日本画壇を100年以上にわたってけん引してきた美術研究団体、日本美術院の同人から新鋭作家までの大画面の91点を一堂に紹介。大胆な画面構成に卓越した技法、さらに独自の工芸的な装飾を追究。日本画の可能性に挑んだ作品を美術ファンが楽しんだ。

 日本美術院は1898年、福井藩士を父に持つ近代日本美術の指導者岡倉天心らが創立。活動の一時休止を経て、1914年に横山大観が再興した。以後、再興院展の名で発表の場を持ち、今回は第102回展の全国巡回展。福井では4年ぶりの開催となった。

 会場には、下田義寛さん、田渕俊夫さんら日本画壇の巨匠から、気鋭の若手で富山大准教授の高島圭史さんら北陸ゆかりの作家の作品までが勢ぞろい。生誕150年にあたる大観の作品や書簡も展示されている。

 2013年から県立美術館の特別館長を務める東京芸大教授の手塚雄二さんは青森県の蔦沼のブナ林を繊細な色彩で捉えた「新緑の沼」を出品。描かれた枝ぶりはリズミカルで、薄く散らされた金砂子の輝きが広がりと奥行きを生んでいる。國司華子さんの女性を描いた「備忘録」は現代書を思わせる筆遣い。描き込んだ部分と、力を抜いた部分のめりはりに引き込まれる。

 日本美術院同人で業務執行理事でもある手塚さんは「院展で選ばれるのは、挑戦する姿勢が感じられる作品。かなりとがったものもあり、幅広さに驚きを持って見てもらえるのではないか」と展示に胸を張った。

 夫婦で来場した福井市の塚谷紘明さん(77)と良子さん(74)は「日本の自然を描いた作品に時間を忘れて見入った。貴重なひとときを過ごせてよかった」と話していた。

 展覧会は24日まで。一般900円(団体720円)、高校生以下無料。問い合わせは、県立美術館=電話0776(25)0452。

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