「福井らしさ」って、いったい何? まちづくりの実践に乗り出してから、さまざまな場面で、ちょっとした話題になる。自分なりに考えると、「人と人とのつながり」が答えの一つだと思う。

 県都デザイン戦略の進ちょくを聞こうと、福井市の担当課を訪ねたときのこと。取材でお世話になった大学の先生たちが別々の用件で訪れ、顔を合わせることになった。「やっぱり福井は狭いねぇ。本気で動いたら、みんな友達になれちゃう」と職員。大げさなようだけど、納得してしまった。

 まちづくりの“プレーヤー”たちで親睦を深めようと、観光ガイド本「福井人」の製作メンバーがこのほど開いたバーベキュー。フェイスブックを通して誘ってもらい、市民団体や若者グループ、行政職員ら約60人と、福井市の足羽川河川敷で炭火を囲んだ。

 新しい出会いはもちろん、もともと知り合いだった2人が高校の先輩と後輩だったりと、参加者同士のつながりも発見した。後日、食のイベントで10年ぶりに再会した級友と、福井人の製作メンバーの1人が兄妹だったことも驚いた。意外なところで、思わぬ人とつながるのが楽しみになっている。

 北陸新幹線の金沢開業まで、あと8カ月。石川や富山が地の利を得ることになり、福井との格差が広がる心配はぬぐえない。でも、人口が少なく、コミュニティーが狭い福井の特徴を逆手に取れば、人と人の結び付きが生まれやすい土地柄だとも言える。強みになるはず。

 人のつながりは、レストラン計画を掲げた企画班が最も大切にしているキーワード。せっかくもらったつながりを、どう生かすかは知恵の絞りどころ。「福井らしい」プロジェクトにするためのポイントになりそうだ。(細川善弘)

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