ずっと肩こりに悩んでいます。3週間ほど前から左の肩から首にかけて、ひどく痛むようになりました。受診したところ、加齢と運動不足が原因と言われました。受診前ほどではありませんが、今も昼夜痛みます。他に考えられる原因があるのか教えてください。(坂井市、78歳女性)

【お答えします】 竹浦直人 福井大医学部整形外科・脊椎外科医員

強い痛みは首、肩の安静が基本 !

 肩こりの症状は複雑で、さまざまな病気が関連する場合もあります。肩こりに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽(そうぼう)筋という幅広い筋肉が中心です。頭半棘(とうはんきょく)筋、頭・頚(けい)板状筋、肩甲挙(けんこうきょ)筋、棘上(きょくじょう)筋、菱形(りょうけい)筋なども関係します。

 特別な病気を併せ持っていない肩こりは、首や背中が緊張するような姿勢での作業、猫背・前かがみといった良くない姿勢、運動不足、精神的なストレス、なで肩、連続して長時間同じ姿勢をとる、ショルダーバッグ、冷房などが原因になります。

 特別な病気を除く肩こりに共通する治療には、(1)安静、装具療法、温熱、電気、光線・電磁波、マッサージ、牽引(けんいん)などの物理療法(2)主としてストレッチングによる運動療法(3)トリガーポイント注射などのブロック療法-があります。

 肩の痛みが強い場合は、首や肩の安静が基本です。頚椎を固定し安静を保つために頚椎カラーという装具を着ける場合もあります。症状に応じて非ステロイド性の消炎鎮痛剤や血流改善薬、漢方薬などの内服、注射を行う場合もあります。物理療法には、温熱療法もあります。

 医師や理学療法士など専門家とよく相談し、単独あるいはそれぞれの療法を組み合わせることで、効果がみられる場合も多くあります。

さまざまな病気が原因の場合も !

 また、さまざまな病気で起きるものを「症候性肩こり」といいます。

 ▽頚椎症、後縦靭帯(こうじゅうじんたい)骨化症、脊椎炎、頚椎捻挫、脊椎・脊髄腫瘍▽胸郭(きょうかく)出口症候群▽肩関節疾患(動揺性肩関節、五十肩、腱板(けんばん)障害、変形性肩関節症、上腕骨・肩甲骨骨腫瘍など)▽パンコースト腫瘍(肺の腫瘍)▽内科疾患(筋収縮性頭痛・片頭痛、高血圧、狭心症・解離性大動脈瘤(りゅう)、皮膚筋炎、胆のう炎・胆石、自律神経失調症など)▽眼精疲労▽更年期障害▽耳鼻咽喉科疾患(メニエール病、乳様(にゅうよう)突起炎、副鼻腔(びくう)炎、頚部リンパ節腫脹など)▽顎(がく)関節症▽心身症・うつ病-などが原因となります。

 このような症候性肩こりは、各科で原因となる病気を治療することが大切です。

 肩こりの原因を正確に診断するには、医師の診察を受け、相談しながら経過を慎重にみていくことが大切です。まずは、お気軽にご相談ください。

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