越前漆器で伝統の食を味わい、河和田の魅力を満喫したふくいフードキャラバン=21日、福井県鯖江市上河内町のラポーゼかわだ(菊野昭彦撮影)

自分でつくった器を見やる参加者。ふくいフードキャラバンで=21日、福井県鯖江市上河内町のラポーゼかわだ

地元に伝わるおすしの作り方の実演。ふくいフードキャラバンで=21日、福井県鯖江市上河内町のラポーゼかわだ

 記者が食をテーマにしたまちづくりの実践に挑戦する本紙連載「まちづくりのはじめ方」の関連イベント「ふくいフードキャラバン」が21日夕、福井県鯖江市河和田地区で開かれた。植物用の温室を地元の若者グループが一日限りの“レストラン”に改装。参加者20人は、事前に制作した越前漆器の器と木彫りのスプーンを使って地域伝統の食を味わい、「越前漆器の里」の魅力を満喫した。

 キャラバンは、連載担当の記者が、地域の人たちと手作りするイベント。地元自慢の食材や伝統工芸の見せ方を工夫し、本県を「すてきな田舎」として発信することを目指している。6月上旬に開いた福井市越廼地区を皮切りに始まった。

 第2弾の「かわだ くらしの晩餐(ばんさん)会」は、県外から河和田地区に移住した20代のものづくりグループ「TSUGI(ツギ)」や、連載のアドバイザーで料理研究家の佐々木京美(きよみ)さん(鯖江市)の協力を得て、4月から準備を進めてきた。

 越前漆器の里に息づくものづくり文化を実感してもらおうと、15日にワークショップを開催。参加者は漆器の上塗りやオリジナルの木彫りスプーンの制作に取り組んだ。

 この日は最初に、地元に伝わるおすしを包むアブラギリの葉の収穫を体験。地元女性グループ「河和田いきいき協議会」のメンバーから包み方を教わった。

 レストランはラポーゼかわだ(鯖江市上河内町)にある、使われていなかった温室をTSUGIがデザイン。手作りテーブルの周りを多くの植物や照明で飾り付けて若者の感性を表現しつつ、食器に越前漆器の重箱を使うなど“本物”の良さも積極的に取り入れた。

 料理は山菜を使った郷土料理から、ユズとトウガラシをすり合わせた河和田伝統の薬味「山ウニ」をチーズフォンデュに使ったものまで多彩。デザートは特産「桑の葉茶」のアイスクリームで、参加者手作りの漆器のボウルで味わった。

 参加した福井市の辻太治朗さん(28)、麻美さん(28)夫妻は「重箱の赤や黒にアブラギリの葉の緑がすごく映えていて、越前漆器をすごく身近に感じた。同じ県内でも地域によって葉ずしの中身が違い、興味深かった」と笑顔。TSUGIの新山直広さん(28)は「河和田の伝統と若い力、両方の魅力を発信できた」と充実感を漂わせた。

 イベントの様子は後日、インターネットで動画配信する予定。(高島健)

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