梅に手を伸ばす美方高生。袋いっぱいになるまで楽しそうに収穫していた=18日、福井県若狭町田井

 「うわあ、すごい」「梅、めっちゃ、ぼこぼこ、できてるやん」。たわわに実った梅を前に、大きな歓声。

 福井県立美方高食物科3年生の生徒32人に、福井梅の収穫を体験してもらった。生徒たちは日ごろ、調理実習で梅を使っている。でも、梅農園を見たことはない。

 同県若狭町田井で梅農園を営む入江昭治さん(77)美津江さん(75)夫妻が「今年は花が咲く時期に雨が少なかったから、うちの農園は大豊作」と説明すると、生徒は「ほんまや。木の下の方にも実がいっぱい」。感心しながら袋に詰めた。

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 梅の体験学習を企画したのは調理師の卵たちに、地元の食材を知ってほしいから。高校側は何と18、20日の授業に組み入れてくれた。

 きっかけは今年4月、まちづくり企画班が開くレストランへの協力をお願いに行ったときの、生徒たちとの雑談だった。

 地元食材っていうと、何を思い浮かべる? 「ウナギ」「ナシ」「梅」。同校のおひざ元・若狭町の食材には、さすがに詳しい。けれど、次第に「トマトの何だっけ、越のルビー!」「越前そば」「越前がに」と、地元の範囲がえらく広がっていった。

 記者だけの力で、授業はできない。心強い味方がいた。若狭町産業課の三宅里美さん(54)。「梅農家を知ってもらえるチャンス。ぜひ一緒にやりましょう」

 ありがたいことに、生徒の移動や体験にかかる費用すべてを町が負担してくれた。県内で3人しかいない県認定の特別栽培梅農家、入江さん夫妻も紹介してもらった。

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 20日の梅干し作り体験。生徒は完熟した黄色い梅を見て「わあ、いいにおい」。手ほどきした美津江さんの「梅干しは完熟梅のほうが、ぽってりとおいしいんやよ」との説明も、熱心に聞いている。

 実習後、梅を使ったレストランメニュー作りのグループ討議をしてもらった。「20代女性に来てほしいから、ヘルシーな梅ドレッシングサラダ」「ピンク色の梅グラタン!」「年配の人でも手羽先を食べやすく、梅と黒酢でさっぱりと煮る」。アイデアが次々に出てきた。

 栗原満美さん(18)は「梅のなり方を知っていると、調理も気持ちの入れ方が全然違ってくる」。

 レストランの件、任せたよ。(土生仁巳)

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