“当事者目線”を心掛けよう。そんな気持ちで審査員席に座った。

 福井県内の若者グループによる地域活性化プランから助成対象を選ぶ県主催の公開プレゼンテーション。審査に通れば20万円の資金を得られる。

 登壇した各団体の代表者は、切実さを込めて次々熱弁をふるう。「まちなかをライトアップし、にぎわいを創出する」「パパたちを社会活動に参加させたい」「コウノトリを呼び戻す田んぼを必ずつくる」。みんな、福井の課題をちゃんと見つめ、プランを打ち出している。

 独創性、実現可能性、事業の波及効果―の三つを評価のポイントとして、団体ごとに点数をシートに書き込む。その上で6人の審査員が集まり、助成団体を決める。全部を支援してあげたい。でも助成金の元は税金だし…。泣く泣く線引きをした。なかには昨年と似通った内容が響いて選に漏れた団体があった。個人的には継続的な取り組みこそ大切だと思い、そう発言させてもらった。

 審査会翌日の9日、私たち企画班が助成金を申請した公益財団法人から通知が届いた。レストラン計画の大事な支度金になる。細川記者と一緒に、息をのんで封書を開いた。が、落選。前日の若者たちの無念が、あらためて胸に迫ってきた。

 元気な若者グループが県内各地で確実に育っている。でも、まだ点にすぎない。彼らが結びつき、面として広がれば、福井の大きな力になるはず。「人口減少を食い止めたい」「若者の定住化を」。プレゼンでどの団体も強調していた目標は、私たち企画班と同じ。

 言い換えれば、幸福度日本一の福井県が将来も福井県であり続けられるよう、自らが考え、動くこと。若者たちに負けるわけにはいかない。記者たちの奮闘ぶりは、来週スタート予定の連載第3章「地域を歩く」でお届けします。(山口剛)

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