制度融資も開業補助も自分たちの計画では対象外。現実は甘くない…

 レストランづくりの準備資金として、行政の制度融資は使えないのか。調べてみる価値はありそうだ。福井市商工振興課へ。

 「可能性があるのは、これです」。中小企業向けの融資メニュー表に「創業資金」の項目がある。融資の限度額は1500万円。オープン前にまとめて借りられる。利率は通常より低い1・2%で、利子の半額分は市が補助する。

 問題は、期間限定の営業でも対象になるのかどうか。尋ねると、職員の表情が曇った。「制度融資は、事業者の長期的な経営を支援するのが目的。その計画だと『創業』には当たらないですね」

 しかも、申請できる融資額は、同じ額の自己資金を持っていることが条件。「実績のない創業者だと返せないケースも出てくるから、条件も当然厳しくなります」

 銀行の融資担当者にも、直接当たってみた。「法人格のない任意団体は、ある程度の活動実績がないと難しいです。個人の資産を担保にカードローンを組む方法ならありますが…」

 うーん、現実は甘くない。

  ■  ■  ■

 行政の補助制度はどうか。

 福井市中央1丁目を対象に市が開業を支援する制度では、1階の路面店の場合、開業経費が最大75万円、最初1年間の家賃は月9万円まで補助される。ただ、空き物件に店を定着させるのが狙いだから、2年以上の営業予定が前提。職員から「別の方法を探すしかないですね」と諭された。

 市には「起業家支援セットメニュー」という事業もある。家賃や初期投資が補助され、経営指導も受けられる便利な制度だが、営業を6カ月以上続けるのが条件。やっぱり対象外。

 開業と認められないなら、催し扱いで補助を受けられないのか。調べてみると、2年前までは、中心市街地で開く市民団体のイベントに1件10万円が補助されていた。本年度は、委託費上限50万円の事業に衣替えされたが、西武福井店の屋上広場の活用が主眼。他団体に譲った方がよさそうだ。

  ■  ■  ■

 公的な支援制度はたくさんあるように見えても、使えるメニューは意外と少ない。確かに、自分たちの計画が例外的なのかもしれないけれど…。窓口を回るたびに資金集めの選択肢がつぶされ、逆に追い込まれている感覚になってきた。ほかの市民団体は、いったいどうやって工面しているんだろうか。(細川善弘)

関連記事