企画班3人(左)を温かく迎えてくれたTSUGIのメンバー。センスあふれる空間でまちづくりについて語り合った=13日、福井県鯖江市河和田町(菊野昭彦撮影)

 「福井駅西口の『イタリア』に行ってきました。ご主人のお話にジーンときました」

 企画班の公式フェイスブックに寄せられたコメントだ。連載のプロローグで紹介した老舗レストランに、わざわざ足を運んでくれた読者らしい。お礼のメッセージを送ると、すぐに返事がきた。

 「TSUGI(ツギ)という、ものづくりグループをやってます。機会があれば何か一緒にできればいいですね!」

 ネットで検索すると、関西から福井県鯖江市河和田地区に移り住んだ20代の7人組と分かった。デザイナーや木工職人、眼鏡職人、編集者ら多彩な顔ぶれ。

 グループ名の由来は「『次』の世代である若者がものづくりや文化を『継ぎ』、新たなアイデアを『注(つ)ぐ』ことでモノ・コト・ヒトを『接ぐ』」。越前漆器の産地に吹く新しい風。彼らのまちづくりへの思いを聞きたい。共有できればきっと連携できる。

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 お椀(わん)の形をしたランプシェード、展示棚は廃校になった学校のげた箱を再利用―。河和田地区にあるTSUGIの活動拠点は、センスとアイデアがいっぱい。自分たちで改装したという漆器店を今月13日、企画班が訪れた。

 デザイナー新山直広さん(28)が「東京にこびるのは、もうやめよう。福井の資源をとことん面白がって、逆に都会の人を引きつけたい」と口火を切った。木工職人で代表の永富三基(みつき)さん(24)も「福井はいろんな魅力がつながっていないだけ」と続けた。

 その熱さに負けじと、こちらもプロジェクト案を語った。なんだ、この楽しさは。あっという間の2時間だった。

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 「ふくい若者チャレンジクラブ」は、地域活動に意欲のある18~35歳が集う。3月1日に福井市内で開かれた会合では「人のつながりで福井の面白さを再発見してもらう」という体験ツアーが提案されていた。メモを取る手がぴくりときた。われわれのコンセプトと似通っていないか…。

 同15日の夜。デザイナーや農家、NPO法人理事らメンバー7人が集まった打ち上げに押しかけた。一員として、あだ名まで付けてもらった。

 実際に連携できるかどうか、まだ見えない。でも、若者の声に耳を傾け、場の勢いに乗っかっていくのって大事。酔った帰り際、彼らと手を重ねて気勢を上げた。アラフォー世代、ちょっと無理してみました。(高島健、細川善弘)

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