市民交流会でレストラン計画を発表してみた。アイデアがどんどん出てくる=3月27日夜、福井市中央1丁目の市まちづくりセンター「ふく+」

 記者証は外して上着のポケットに。代わりに参加者用の名札を首からさげて、席に着く。「記者さんだけれど、まちづくりに挑戦している人です」。飛び入りにもかかわらず、顔見知りだった進行役の男性が大声で紹介してくれた。長机を囲む8人の視線が集まった。

 3月27日夜、福井市の駅前電車通りにあるまちづくりセンター「ふく+(たす)」をのぞいた。目当ては、市民がまちの活性化策を考える交流会。30人の参加者が3班に分かれ、すでにグループ討論を進めていた。平日とあってネクタイ姿の男性も数人。

 「これから『ふく+』をどう活用すべきか、書いてください」。隣の大学助教から用紙を渡された。これを基に話し合うわけか。しばらく頭をひねり、二つのアイデアを提出した。

 まもなく発表の順番が回ってきた。本当に話したいことは一つ。「実はレストランを開きたいと思ってまして。一市民として行動しながら、その過程を連載企画で書いていきたいと…」

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 福井の食文化に光を当て、地域を誇りに思える場をつくろうというレストラン計画。どう肉付けすれば喜ばれるのか、まちづくりになるのか。話し合いを重ねて出てきた案は、だいたい次のような感じ。

 ディナーは必須。メニューや器は農家や漁師、伝統工芸の職人さんらと一緒に決めていこう。「でも魅力を伝えるには、おしゃれに見せないとだめでしょ」と高島記者。では全国的に有名なシェフに監修してもらおう、という結論に一応は至った。

 ランチも出したい。それならと山口デスク。「高校生の協力を得られないか」。将来の食を担う若者が、たとえば伝承料理をじかに学べる機会をつくる。そうすれば、食文化を受け継いでもらうきっかけになる。その意図に「いいかも」と土生記者が乗った。

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 発表は3分間ほどだったか。計画を一気に説明していくと「へぇ」という声が上がった。奥の女性が興味を示してくれている。

 「というわけで、協力者を求めています」。勢いにまかせて呼び掛けてみると、進行役の男性がまた助け舟を出してくれた。「仲間ならこの中にいっぱい、いるじゃないですか」。開業場所の見つけ方、食材の選び方。続く意見交換では、参加者が自分のことのようにアイデアを出してくれた。

 まちづくりに関わる人たちは、とっぴな提案であっても頭ごなしに否定したりはしない。まずは受け入れて一緒に考える。そうか、こうして人の輪を広げるものなんだ。(細川善弘)

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