北陸新幹線の金沢駅開業は来春。福井県まで伸びてくるのは、かなり後の話。でも、福井が金沢に差をつけられてしまうと意識しすぎるのはどうなんだろう。人口・経済規模が違うし、文化も異なる。そもそも、観光客やビジネスマンがたくさん来れば素晴らしいまちなのか。超高層ビルがそびえるまちが、かっこいいのか。

 福井市政を担当していた5年前、福井駅西口再開発ビルの取材に追われていたときには、あまり考えなかったことだ。すでに人口が減り始めていたというのに。これから福井は超高齢県になっていく。もう高度成長期の幻影を追っているときではない。

 妙な巡り合わせで、当時一緒に取材していた細川、高島記者とまた一緒に仕事をする。土生記者は女性ならではの視点を加えてくれるはず。今回の企画はきっと、まちづくりを再考するチャンス。

 県外の大学に通っていたころ、都会の方が華やかで便利で、楽しく暮らせるなぁと、あこがれめいた思いをぬぐえなかった。でも、生まれ育った福井で家族をもうけた今、わが子がまずまず健やかに育っているこの地域こそ貴重だと感じる。

 連載「まちづくりのはじめ方」は、レストランづくりが目的ではない。レストランを通じ、地域の資源をきちんと再評価し生かそうと呼びかけたいというのが本当の意味だ。それに、まちはほかの誰でもない、自分たちでつくるもの。だったら記者が自ら行動するのも一手じゃないか。その出発点をいつも忘れないでいよう。

 連載を始めて「この記事、面白い」という小学4年のお子さんの感想を伝え聞いた。うれしかった。もっと、もっと記者の体温が伝わる記事を書くよ。

 きょうからスタートした「まちづくり企画班日記」も、記者の思いがいっぱい詰まっているから読んでね。(山口剛)

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