昨年1月に左胸の乳がんを手術しました。今年10月に胸のCT(コンピューター断層撮影)検査を受けたところ、右の肺に小さな影が見えました。医師から、3カ月後に(影が)大きくなっているか調べると言われました。3カ月も放っておいて大丈夫なのか心配でなりません。(勝山市、84歳女性)

【お答えします】 木村雅代県済生会病院外科医長

! 小さな病変は診断が難しい

 がんで治療している患者さんであれば、検査を受けるたびに結果はどうだろうか、何か異常がないだろうかと心配されると思います。この方も左乳がんの術後のCT検査で右肺に病変を指摘され、「肺転移なのではないか」と思い不安になっていらっしゃることでしょう。

 乳がんは、ホルモンの感受性があるかなど、がんそのもののタイプや病気の段階(ステージ)などによって転移や再発のリスクが異なります。乳がんの転移部位としては肺、肝臓といった内臓やリンパ節、骨、脳などがあります。無症状のうちにCTなどの画像検査で転移が見つかる場合もあれば、症状があって検査で見つかることもあります。

 肺転移に伴う症状としては、せきや呼吸困難感などがみられます。肺転移を見つけるのに有用な検査は胸部エックス線検査やCT検査があります。

 ただし、病変が小さい場合には、どんなに精度の高いCTでも、乳がんの転移なのか、肺がんや肺の炎症など他の病気によるものかの判断は困難です。がんの診断に有用なPET(ペット)検査でも病変が小さい場合には判断が困難です。

 手術などでその病変を取って診断すればよいのではないかと思われるかもしれませんが、この場合も病変が小さい場合にはきちんとした診断がつかないこともあります。診断目的の手術や組織検査などは、身体的な負担が大きいので慎重に行わなければなりません。

! 自覚症状あれば早めに受診、検査

 ですから、小さな病変であれば、画像検査で経過を見て影が大きくなるか、他にも異常な影が出てこないかを見ることが一般的です。
 3カ月という検査の間隔が心配な気持ちもお察ししますが、あまり短い間隔で検査しても影の変化が分かりにくく、エックス線被ばくなどの身体的な負担や経済的な負担も伴います。また、無症状であれば、3カ月という期間で転移がどんどん広がって手遅れになることはまずありません。

 現在せきなどの自覚症状はないでしょうか。無症状であれば、3カ月後の検査で影が変化しているかを確認することで問題ないと思います。何か症状が出てくるようであれば、早めに主治医を受診し、検査することをお勧めします。

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