腰の脊柱管狭窄(きょうさく)症と診断されました。腰椎の神経が2カ所圧迫されており、脚のしびれや痛みがあります。内視鏡で手術したいのですが、メリットやデメリット、入院期間、費用を教えてください。(福井市、66歳男性)

【お答えします】 上田康博 県立病院整形外科医長

! 腰の骨削り神経圧迫を取り除く

 腰部の脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道(脊柱管)が加齢に伴って狭くなり、中を通る神経が圧迫されて、脚の痛みやしびれ、排尿障害などの症状が現れる状態をいいます。特徴的な症状は「間欠跛行(かんけつはこう)」で、腰を伸ばして立っていたり歩いたりすると太ももやひざから下に痛み、しびれが生じ、座って少し休むと楽になり、また歩けるようになる状態をいいます。

 薬や装具、リハビリなどの保存療法で症状が改善せず、歩行障害が進んで日常生活に支障がある場合は手術を行うこともあります。手術は腰の骨を削って神経の圧迫を取り除く除圧術が一般的です。腰椎のずれ(すべり症)やぐらつき(不安定性)、カーブ(側弯(そくわん)症)がある場合は、固定術の併用も検討されます。

 除圧術の一つの手法である内視鏡手術は、日本では1990年代後半より脊椎手術に応用され、カメラやモニターをはじめとした光学機器や手術機械の進歩、手術手技の革新とともに全国に広がりつつあります。

! 体の負担少ないが適応に限界も

 一般的に、手術で痛みや間欠跛行は改善されますが、しびれや脱力が残る場合があります。また、神経の近くを扱うために神経損傷の危険性があり、手術した部位の感染など合併症の危険性もあります。

 一方、内視鏡手術のメリットは、体への負担が少なく術後の痛みも少ないこと、入院期間が短く早期に社会復帰できることなどが挙げられます。デメリットは、新技術であるために高度の技術や専用の手術機械が必要で、行える医療機関が限られ、全ての症例に適応できるわけではない点です。

 日本整形外科学会では、内視鏡手術による合併症や術後の成績不良例を出さないために、学会独自の講習会を開き、技術認定制度を設けています。
 入院期間は手術前の歩行能力や脱力の有無、手術前後の合併症の有無などに左右され、施設によっても違いますが2週間程度の場合が多いです。費用は手術の方法、入院期間、施設基準などで異なりますが、全て含めると診療報酬上はおよそ70万円以上になります。

 ほとんどの方は高額療養費制度の対象となり、自己負担の上限額は年齢や所得によって異なります。高額療養費制度に関しては病院の窓口や厚生労働省のホームページでご確認ください。

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